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ほうれん草の葉が黄色く元気が無い場合

カテゴリー:ホウレンソウの育て方 投稿日時:09月11日 

ほうれん草の種をまいて発芽はしたけど、その後上手く育たないという方も多いかもしれません。
野菜を育てるうえで上手くいかないことは多々ありますが、ほうれん草の場合は比較的原因が特定しやすいものとなります。
今回は、ほうれん草の葉が黄色い・元気が無い・上手く育たない場合の対処法をご紹介したいと思います。

上手く育たない原因は気温かpHまたは害虫

まずほうれん草の特性を理解しましょう。
ほうれん草の種まき時期は8月下旬、もしくは9月~となります。
これは、ほうれん草が高温に弱いためで、強烈な日差しのふりかかる7月~8月は生育が悪くなります。
逆に寒さには強いですから、しっかりと秋になってから栽培を始めると、害虫なども少なく確実に育てられるでしょう。

よって9月に入ったからといって、まだ日差しが強い日が続いていたり、週間予報が30度を超えるような高温が続くのであれば、種まきを控える必要があります。
もし既に種まきをして発芽してしまっているのであれば、気温が下がってから種を撒きなおした方が早いかもしれません。


上手く育たない理由として最初に考えられるのは、土のpHの問題です。
ほうれん草は酸性を嫌う野菜です。
ちょっとくらいの酸性でも上手く育たないことがあります。

こちらが上手く育っていないほうれん草。
育たないほうれん草

こちらは同時期に種まきをした、別の畑のほうれん草。
元気に育つほうれん草
まったく生育が違いますね。
ほうれん草に限らず、植え付け時には必ずpHを測定するクセをつけましょう。

pHが低い、土が酸性だった場合の対処法

pHを上げる(アルカリ性によせる)ためには、石灰を撒く必要があります。
「消石灰」は植物がある場所には使用できませんが、「苦土石灰」であればアルカリ値は強くないのでほうれん草を育てながらでも使用することができます。
ただし、苦土石灰がすぐに使えるか・使えないかは、見識の分かれるところでもあるので、一応注意して使用してください。
私の経験では、苦土石灰で野菜が駄目になったことはありません。
心配な場合は有機石灰(カキ殻石灰など)を使用すると良いでしょう。

使い方は簡単。
ほうれん草の畝にそのままかけるだけです。
ほうれん草の畝に有機石灰
躊躇せずに、バッと撒いてしまいます。
葉にかかってしまった石灰は、水やりをして流しておきましょう。
あとはこのまま育てるだけ。
土をなじませたりする必要はありません。

3日後。
成長し始めたほうれん草
あきらかに成長スピードが増してきて、本葉も大きくなり始めました。
ほうれん草が酸性を嫌うということが良く分かりますね。


ほうれん草の葉が黄色い場合

土のpHが整っていたとしても、カルシウムやマグネシウムが不足していると、下の写真のように葉がまだらに黄色くなることがあります。
ほうれん草の葉が黄色くなる

このように黄色くなってしまったほうれん草を見つけたら、「粒状苦土石灰」を撒きましょう。
苦土石灰はpHを優しくアルカリにしてくれるのですが、内容としては「苦土」=マグネシウム、「石灰」=カルシウムで構成されていますので、これらの栄養補給にもなります。
カルシウムやマグネシウムは葉を形成するのに必要な栄養素で、葉を丈夫にする役割を持っています。

「粒状」の苦土石灰を使用する理由としては、成分がゆっくり溶けだすので効果が長く続くことと、粉末と違い風の強い日・雨の日でも撒くことが可能だからです。

粒状苦土石灰の撒き方は簡単。
畝にばら撒くだけです。
粒状苦土石灰を撒く

粒状苦土石灰を撒いてから3日後。
黄色くなっていた葉が、全体的に緑になってきました。
緑色に戻るほうれん草の葉
効果があった証拠です。

この葉が完全に緑色になることは難しいと思いますが、根元の成長点から出てくる新しい葉は健康的な色をしています。
元気に育つほうれん草
このように葉の様子で土の状態を確かめ、最適な対処を行いましょう。

害虫によるほうれん草の根と葉の食害

害虫の影響によってほうれん草が上手く育たない場合は、見た目での判断が可能です。
まず分かりやすいのは、同じ所に植えているのに明らかに成長の遅い株がある場合。
そういった場合は、土の中でコガネムシの幼虫や蝶の幼虫が根を食べていることが原因として考えられます。
根を食べられていると、株が簡単に抜けるので軽く引っ張ってみてください。
根が無いほうれん草
根がありません。
そこで付近の土を掘り返してみると…

やはりいました。
ほうれん草の根を食べるコガネムシの幼虫
コガネムシの幼虫です。
まだ小さい個体なので被害は1株ですみましたが、これが成長して大きくなってしまうと、数日で全滅と言うこともあるので注意が必要です。
しっかりと害虫を見つけ出し、補殺しておきましょう。

ただ害虫の仕業と分かっても、中々見つけられないことも多いの実情。
そんな時はダイアジノンを使用しましょう。
ほうれん草に適用がある農薬です。

家庭菜園でも有名なオルトランは使用しないで下さい。
オルトランにほうれん草の適用はありません。

最後に、ほうれん草の葉が虫食い状態に食害されている場合です。
これは蝶の幼虫などが葉の裏にくっついて食害しているときに見られる被害。
単純に葉をめくれば害虫を発見できることが多いです。
ただ、生まれたての幼虫の場合はかなり小さいので、葉を揺らしただけでも土の上に落下している場合があります。
葉の裏を探してみても害虫の姿が無い場合は、土の表面も良く見てみると発見することができると思います。


いかがでしたでしょうか?
ほうれん草が上手く育たない理由に検討が付いたでしょうか?

ちなみに、こちらが上手く育たなかったほうれん草の根。
育ちが悪いほうれん草の根
あまり左右への伸びが感じられません。

一方こちらは上手く育ったほうれん草の根。
上手く育ったほうれん草の根
長さもさることながら、左右にも細い根が広がっていますね。

このように上手くほうれん草を育てるには環境が重要で、ご紹介したように「気温・pH・害虫」この3点に注意を払う必要があります。
問題さえわかってしまえば、きっと上手く栽培ができるはずです。

次回はほうれん草の収穫時期と収穫方法についてご紹介します。

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