種芋を植え3月中旬に芽を出したじゃがいも(男爵芋)。
成長の速いじゃがいもは、1ヵ月も経つと茎や葉でいっぱいになります。
一見良いことのように思えるのですが、じゃがいも栽培において葉や茎が多くなりすぎることは、じゃがいもが小さくなってしまう原因となるので良くありません。
じゃがいもは種芋にあった「芽」の数だけ新芽を伸ばします。
種芋に5つ芽があれば、5本の茎が伸び、10個あれば10本の茎が伸びます。
下の写真をご覧ください。
これは、発芽から1ヵ月なにもしなかったじゃがいもです。
かなり葉が茂っています。
根元はどうなっているのかというと…
芽が伸び放題で、7本~8本もの芽が伸び、そのまま茎となっています。
こうなってしまうと風通しが悪くなるばかりではなく、日の当らない葉も多く生育に良い状態とは言えません。
さらにじゃがいもの場合、花を咲かせて実らせる野菜ではありませんから、茎や葉の成長に養分を使ってしまうと根に養分を蓄えることができず、結果的に収穫するじゃがいもが「小さく」なってしまいます。
もう少し詳しく説明しますと「芽」がたくさんできるということは、それだけ土中で伸びる「地下茎」もたくさん発生します。
収穫するじゃがいもはこの地下茎に発生しますから、地下茎が多くなればなるほどじゃがいももたくさん出来るということになります。
沢山じゃがいもができるということは、1つ1つに行き渡る養分が分散された結果であり、結果として大きいじゃがいもには育たないということ。
ですから、しっかりとした大きいじゃがいもを収穫する為には「芽かき」を忘れてはいけないのです。
『芽かき = 収穫量を制限 = じゃがいもを大きくする』
じゃがいもの芽かき作業は単純なのですが、はさみを使ってはいけません。
上記でも芽かきの目的をご説明したように、芽かきとは発生している地下茎や根を減らす作業です。
はさみを使って地上の茎を切ったとしても根はそのまま残りますから、数日後には新たな芽が伸びてきてしまいますし、収量の制限にはなりません。
必ず手を使い、根ごと抜くイメージで芽かき作業を行いましょう。
それでは芽かきのやり方です。
まずは種芋ごと抜けてしまわないように、利き手とは反対の手で根元をしっかりと押さえます。
そして太い茎が2本~3本残るように、細い茎を抜いていきます。
こちらが芽かき後の様子。
今回は茎を3本残しました。
芽かきをして抜いたものの中には、すでに地下茎にじゃがいもが付いているものもありました。
この時点でじゃがいもが付いているということは、芽かきの時期が遅すぎたということになりますね。
一般的な芽かきの時期は、じゃがいもが発芽して10日~15日後ぐらい、草丈で言うと15cmくらいが目安となります。
芽かきを終えたら、最初で最後の追肥を行いましょう。
化成肥料を軽く、種芋周辺にばら撒きます。
じゃがいもは肥料が多すぎると水っぽくなってしまうので、控えめにしておきましょう。
最後に撒いた肥料ごと土寄せをして、収穫するじゃがいもに日光が当たらないように、そして茎が倒れないようにします。
この土寄せが甘かったり、怠ってしまうと…
肥大したじゃがいもが土から露出してしまい、緑色に変色(ソラニンが発生)してしまいます。
注意しましょう。
じゃがいもが倒れてしまう場合や、茎が折れてしまう等の場合は、こちらのじゃがいもの成長と茎が折れた場合をご覧ください。
これで8割方じゃがいもの作業は終了です。
あとは約2ヶ月後となる、収穫の日を楽しみに待ちましょう。
次回は男爵いもの収穫目安と収穫時期についてご紹介します。