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家庭菜園における夏と冬の土壌消毒の方法

カテゴリー:土作り・準備,土壌消毒 投稿日時:09月03日 

家庭菜園において連作障害を避けるために大切な土壌消毒についてご紹介します。
「我が家の庭でお気に入りの野菜を毎年作りたい!」と思っていても、規模の小さい家庭菜園では作物のローテーションをすることは難しく、連作障害になるリスク可能性が高いです。
また連作障害防止用の専用薬剤も販売されていますが、せっかくの家庭菜園ですし薬にも頼りたくないという方も多いと思います。
そこでご紹介するのが夏と冬の気候を利用した土壌消毒の方法です。

土壌消毒には2つの方法

家庭菜園で薬剤を使わずに行える土壌消毒の方法は2種類あります。

1つは、太陽光で土を蒸し上げる方法
2つ目は、寒さで土を凍結させる方法です。

これらは夏の暑い日差しと、冬の厳しい寒さという自然環境を利用した土壌消毒の方法で、とても安全に行える手法となります。
それではこの2つの土壌消毒の方法をご紹介していきたいと思います。


夏にできる土壌消毒

まずは夏の日差しを利用した土壌消毒の方法からご紹介していきます。

用意するものは黒いポリ袋
透明なものではなく黒いポリ袋を使う理由は皆さん小学校で習ってご存じかと思います。
白より黒いほうが太陽の熱を吸収しやすいからですね。

ただこの黒いポリ袋、ドラッグストアなんかでは最近売っていないんですよね…。
何年か前であれば黒いポリ袋なんてどこにでも売っていたのですが、各家庭でゴミの分別をするようになったことでパッタリと見かけなくなりました。
まだネットでは販売されていますので、少し多めにストックしておくと良いかもしれません。

では、夏の土壌消毒のやり方です。
夏の土壌消毒は、夏野菜の栽培中にうどんこ病べと病になった作物の周辺の土を重点的に行うと良いでしょう。

春に栽培した夏野菜の収穫が終わったら、土壌消毒を行う周辺の土をポリ袋に入れていきます。
黒いポリ袋に土を入れる
あまり入れ過ぎても持ち上げたときに袋が破けてしまいますので、量としては半分から3/5程度にしておきましょう。

ポリ袋に土を入れたら、日の当たる保管場所に移動して土に水を含ませます。
土を湿らせて蒸す
袋の中が蒸し上がる程度(軽く全体が濡れる程度)の水分量で大丈夫です。
(水を含ませた後に持ち上げると重たくなるので注意してください)

あとは口をしっかり縛って、直射日光のあたる場所で10日~2週間ほど放置しておきましょう。
直射日光に当てて土壌消毒
途中で手を入れてみると分かるのですが、土の中がホカホカになって蒸されていることが感じられます。
このようにして夏の強い日差しで蒸された土は、細菌や病原菌が死滅しリセットされていきます。

土壌消毒が終わった土は、そのまま使用ても微生物や養分はほとんど残っていないため、作物は上手く育ちません。
しっかりと堆肥や有機肥料などを混ぜ込んでから使用してください。

おすすめは「バイテクバイオエース」を混ぜ込むことです。
こちらは私が実際に常備しているバイテクバイオエース。
バイテクバイオエース
「よみがえる大地」という壮大なキャッチコピーがついたバイテクバイオエースは、微生物有機肥料で非常に高い土壌改良効果があり、その効果も高く好んで使っています。

このような感じで、消毒の終わった土に混ぜ込むだけで土の団粒化が促進されます。
バイテクバイオエースを混ぜる
臭いもなく非常に使いやすい肥料なので、土壌消毒後には最適と言えるかもしれません。

さらにひと手間加えて「ボカシ肥料」もいれておけば、元肥要らずのすぐに使える土へと生まれ変わります。
ボカシ肥料を入れる
このように1粒土に埋め込んで日陰で10日ほど寝かせておけば、立派な栽培用土の完成です。

野菜によっては追肥の手間もかからなくなるので、大変便利。
この方法は非常に簡単ですので、土壌消毒の際にはぜひ試してみてください。


冬にできる土壌消毒

続いて冬に行う土壌消毒の方法です。
冬の土壌消毒は、土の表面に霜が降りるか、それに近い温度まで気温が下がる必要があります。
ですから冬の土壌消毒は最低気温が5度以下にならない地域では難しいかもしれません。

冬の土壌消毒のポイントは、まんべんなく土を寒さにあてることです。
通常、寒さがあたるのは土の表面だけですから、内部の土までしっかりと寒さにあてるためには多少手間が必要になります。
しかし来季の野菜を育てるために大切な作業になりますから、必ず行っておきましょう。

冬の土壌消毒をする期間は1月~2月、一番寒くなる時期を狙って行います。
まずは畑の外側を深くまで掘り、土を中央に集めていきます。
土を中央に集める
枯れ葉は堆肥にもなりますから、取り除かずにそのまますき込んでしまいましょう。

余計なゴミや冬に育てた野菜の根が残っていれば、土ふるいを使って取り除いておきます。
根やゴミは取り除く
こういったひと手間が、夏野菜栽培の成功につながります。

中央に土の山ができたら、このまま10日ほど寒さにさらします。
表面に霜が降りたり、土が濡れた状態で氷点下になると、土がこんな状態に。
土の表面が凍る
土中の水分が固まることで、土の表面がでこぼこになります。
こんなにでこぼこにならなくても、土の表面が白くなっているだけでも土壌消毒にはなります。

もしこの間に暖かい日が続いてしまったら、寒くなるまでそのままにしておいてください。

十分寒さに当たったら、次は真ん中を深く掘って畑の外側に積み上げていきます。
真ん中を掘る
つまり凸から凹にするイメージですね。
こうすることで空気に触れる面積を増やし、かつ下の土と上の土をひっ繰り返すことができます。

これで再度10日ほど寒さにあてます。
この凹凸の工程をもう一度、2度くらい行っておくと、冬の土壌消毒は完璧です。


最後に真ん中のくぼみを利用して、堆肥や油粕などの肥料を投入しましょう。
真ん中の穴に堆肥を入れる
これで冬の土づくりも一緒に終えてしまいます。
さらにpHも測定し、必要であれば石灰なども撒いておけば春に向けての畑の準備が整います。

ここまで夏と冬で異なる土壌消毒の方法をご紹介してきました。
参考になりましたでしょうか?
毎年違う野菜を作るのならば土壌消毒の必要はないかもしれませんが、毎年トマトを作りたいとか、ウリ科で連作したいとお考えの場合や、春に病気になってしまった野菜があれば、しっかり土壌消毒をしておけば連作障害や病気が続く心配はありません。

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