メロンやカボチャなど雄花と雌花が離れて咲く野菜については、人工授粉が必要です。
花粉を媒介するミツバチが頻繁に飛来していれば不要ですが、通常の家庭菜園では人工授粉が欠かせないと思います。
今回はプリンスメロンの人工授粉の方法から、注意点などをご紹介します。
メロンの雌花が咲いているのは約1日、良くて2日。
意外と寿命は短いのです。
そして一番人工授粉に適している時間帯は、朝日が昇った頃、つまり花が開花した直後です。
時間でいえば、早朝~朝9時くらいまでとなります。
そう考えると、人工授粉に最適なタイミングは1回だけ。
開花した翌日の雌花であっても受粉する可能性はありますが、やはり花粉も鮮度が大切で、開花した日に行う人工授粉と比べると、受粉が成功する確立は体験値として低く感じられます。
開花したその日に人工授粉を行う為には、孫づるに雌花が出来たことを確認したら、日々の観察を怠らないようにすることです。
人工授粉の方法を説明する前に、プリンスメロンの雌花が開花するまでの様子をご紹介したいと思います。
雌花が出来てから開花するまでは、おおよそ1週間程度の時間がかかります。
今育てていらっしゃるメロンの雌花が、どれくらいの段階なのか参考にしてみてください。
5日後、大きな変化は見えないものの、花弁が口を開くような形になり、着実に開花へ近づきつつあります。
雌花を確認してからちょうど1週間後、雌花が綺麗に開花しました。
開花した当日はこのように、花弁にシワがありません。
これが翌日になってしまうと、少し萎れたようになります。
さて雌花が開花したらすぐに人工授粉です。
上記で物述べましたように、人工授粉を行うのは雨の降っていない日の朝方です。
その日咲いた雌花と、その日咲いた雄花で人工授粉できればベストとなります。
まずは雄花を1輪摘みましょう。
雄花に関しては、どこに咲いているものでも構いません。
花粉を落とさないように優しく扱い、上に向けたまま静かに雌花まで運んでいきます。
ちなみに、雄花は子房が膨らんでいないものとなりますが、花の中心を見ても区別できます。
左が雄花、右が雌花です。
雄花を上にして、雌花と雄花を優しくくっつけます。
写真は、分かりやすいように横にしていますが、実際は雄花を上(逆さま)にして、下にある雌花に花粉が触れるようにします。
もしくは雌花に花粉が落ちるように、雄花を軽く叩いてもOKです。
これで人工授粉が完了となります。
雄花の花弁をすべて取ってしまってから花粉を付ける方法もあります。
それでも問題ないのですが、花弁を取っているうちに、衝撃で花粉が飛んでしまう可能性があるので注意してください。
人工授粉が上手くいったかどうかは、時間が経過しないと分かりませんが、成功した場合も失敗した場合も、翌日には花が萎み始めることが多いです。
こちらは、人工授粉が成功した雌花の翌日の様子。
3日目、いくぶん子房が大きくなっているように見えます。
このように雌花の子房(しぼう)と呼ばれる膨らんだ部分が肥大してくれば、受粉成功。
こちらは、受粉しなかった雌花。
全体が黄色くなってくると受粉失敗となります。
次回はメロンの実が大きくならない、その原因は?をご紹介します。