前回はミニトマトの苗を作り、植え付けをするための土作りを行いました。
そして今回はミニトマトを畑へ定植する方法と、そこからの育て方についてご紹介していきたいと思います。
またミニトマトならではの2本仕立てによるミニトマト栽培にも挑戦します。
ぜひ参考にしてみてください。
前回のミニトマトの育て方 種まきから苗作りをご覧になっていない方はこちらからご覧ください。
まずミニトマトの苗を畑に植える時期についてですが、一般的な温暖地では5月初旬のGWが目安となります。
もし苗の段階で花が咲きそうであれば、もう少し早めに植え付けを行ってください。
苗の植え方は簡単で、前回の土づくりで張ったマルチシートにポットサイズの穴をあけ、苗の土が崩れないように優しく植えつけます。
植えつけ前にポットの土へしっかりと水を含ませておくと、土が崩れにくくなりますよ。
また写真にもあるように、仮支柱として割りばしなどを使って固定しておくと、強い風が吹いても倒れにくくなります。
さらに、蝶や蛾の産卵や、青虫やテントウムシダマシによる葉の食害を防ぐために、背が低いうちはトンネルを作り防虫ネットを張っておきます。
ほとんど全ての野菜栽培で言えることなのですが、この防虫ネットをするとしないとでは、家庭菜園においては生育にかなりの差が出ます。
特に苗が小さいうちに食害されるとダメージも大きくなりやすく、その後の成長に多大な影響が出ますから、必ず防虫ネットを張るようにしてください。
そして、こちらが定植から5日後のミニトマトの様子です。
順調に葉が増え、株も大きくなっていますので、しっかりと根付いたようです。
これからが本格的なミニトマト栽培のスタートとなります。
ここからは、ミニトマトの成長の様子をご紹介していきます。
まずはミニトマトを畑に植えてから2週間後の様子から。
早くも第一花房を確認することができました。
花房とは「ふさ」のことで、ミニトマトの蕾が集まる場所、つまり花を咲かせる場所となります。
花を咲かせるという事は、やがて実をつける場所ということでもありますね。
ちなみにミニトマトの場合は、1つの花房で約8個~14個程度のミニトマトを収穫することができます。
そして、この花房ができる頃になると、茎が枝分かれする茎と茎の間から「わき芽」が伸びてくるようになります。
これを放っておくと養分が分散してしまい結果的にミニトマトの収量が少なくなってしまうので、わき芽を見つたら順次取り除いていくようにしましょう。
わき芽が小さいうちなら、手で簡単に折ることができます。
また、丈が30cmほどと高くなってきたら、太めの本支柱を用意し、麻紐で茎と支柱を結び固定します。
茎はまだまだ太くなるので茎側はたるみをもたせつつ、支柱側をきつく縛り、ズレ落ちないようにします。
そして定植をしてから20日後。
早くもミニトマトの花が開花しました。
ミニトマトの花は大玉トマトよりも自己完結できる確率が高い(自分自身の花粉で受粉できる確率が高い)野菜なので、ホルモン処理などをする必要はありません。
さらに1週間が経過すると、花から実へと変わっていき、実の肥大が始まります。
沢山の実がついていますが、ミニトマトの場合は大玉トマトのように摘果をする必要はありません。
摘果をしても残した実への好影響は少なく、実つきや大きさには影響がないためです。
ミニトマト栽培は、こういった摘果やホルモン処理の必要がなく手間がかからないところが、家庭菜園に向いていると言われる要因ですね。
一番最初にできた実が赤く熟し、収穫できるようになるのは6月下旬から7月中旬ごろとなります。
これほどにも収穫までの期間に開きがあるのは、トマトが熟すために積算(累積)温度というものが関係しているからです。
積算温度とは、「開花から収穫までの平均気温を足した温度」のことで、開花から毎日の平均気温を足し算していった温度のことです。
ミニトマトの場合、この積算温度が800度を越したころに赤く熟し収穫期となります。
ですから、例えば平均温度が20度で推移したとすれば800÷20で収穫までは40日となり、平均温度が15度で推移したとすれば800÷15で53日かかるという計算になります。
このように梅雨の気温によって収穫までの日数が左右されることになるので、空梅雨なら早く収穫ができますし、梅雨寒なら収穫までに時間がかかってしまうのです。
ここからはミニトマトを「二本仕立て」で栽培する方法をご紹介したいと思います。
二本仕立てとは、主枝とは別にわき芽を1つ伸ばし主枝を2本にする栽培方法で、一本仕立てより収穫量を増やすことができます。
冒頭でミニトマトのわき芽は順次摘んでいくと書きましたが、伸ばすのわき芽が1本だけであれば、生育にはほとんど影響はありません。
ただし3本、4本…と、全てのわき芽を伸ばしてしまうと、さすがに生育や実つきに影響がでますので、伸ばすわき芽は1本。
つまり最大でも二本仕立てに留めておくようにしましょう。
伸ばすわき芽は当然ながらなるべく元気なものを選んだほうが良いのですが、根元に近すぎたり、株の上過ぎてもバランスが悪くなってしまいます。
伸ばすわき芽として丁度良いのは、第二花房の上あたり。
このあたりで元気なわき芽を選んで伸ばしていきましょう。
この時に、株全体に葉面散布できる肥料を与えておくと元気に育ちます。
そして、こちらがわき芽を伸ばし初めて1週間後の様子。
たった1週間でこんなに成長しました。
このわき芽は二本仕立てにするわき芽なので元気に育ってくれて嬉しいですが、余計なわき芽を全て放置してこのように成長してしまったら、どれだけの養分が使われてしまうのか想像できないですね…。
そして、わき芽が一定程度伸びてきたら、主軸から離れた場所にもう一本支柱を立て、二本仕立てとします。
これでミニトマトの二本仕立てが完成しました。
次回は、ミニトマトの実の付く様子と収穫までについてご紹介します。