今回は家庭菜園でも人気なミニトマトの育て方をご紹介していきます。
ミニトマトは大玉トマトよりも栽培が簡単で、しかも沢山実るので人気の野菜です。
ただしっかりと基本を抑えていないと、途中で収穫できなくなったり、葉が枯れてきてしまうということもありますので、ミニトマト栽培経験者の方も今一度育て方を確認してみてください。
まずはミニトマトを収穫するまでの栽培スケジュールを確認しておきましょう。
一般的にトマトは真夏のイメージがありますが、実は高温多湿の日本の気候は苦手としていて、雨が多く暑い日も続く8月は実割れを起こしやすくなります。
よってミニトマトの収穫ピークを7月初旬あたりに設定しておくと上手く育てやすくなります。
逆算しますと、2月に種まきをして育苗、室内で育てていきます。
そして4月下旬から5月初旬に定植を行い、6月から収穫開始というスケジュールになります。
ミニトマトの苗は4月後半~5月にかけて、ホームセンターなどで1苗300円~400円で販売されます。
高いのか安いのかは個人の感覚次第ですが、値段的にはミニトマトの種が一袋変えてしまう値段です。
コストパフォーマンスを考えれば、種を買って自分で苗を作った方が安上がりと言えるでしょう。
これからミニトマトの種まきから苗作りまでをご紹介していきますので、ぜひ時期が合えば種からチャレンジしてみていただければと思います。
ちなみに残った種は、しっかりと口をして野菜室で保存しておけば、また来シーズンも使うことが可能です。
今回使用する品種は、ミニトマトの代表格ともいえる存在になった「アイコ」です。
皮はやや硬めですが非常に甘く、病気にも強いので、まさに家庭菜園向きと言える品種です。
それではミニトマトの種まきと苗の作り方をご紹介していきましょう。
種まきを行うのは2月中旬~3月初旬ごろ(関東地方)。
まだ寒い時期となりますが、これぐらいの時期に種まきを行えば、ちょうど5月の初旬に畑に苗を植えることができます。
まずは土を入れたポットを用意しましょう。
使用する土は種まき用の土でも良いですし、野菜栽培用の土や培養土でも構いません。
第一関節くらいの穴をあけて、1穴に1粒の種を撒いていきます。
種を撒いたら土を被せ、たっぷりと水を与えましょう。
3回程度に分けて水やりをすると、土全体に染み込みやすくなりますよ。
ここまでの作業は屋外で行いますが、外気はまだまだ寒い2月。
このまま外に置いておいても発芽はしません。
写真のようにポットをビニール袋などに入れて、日当たりのよい室内に置いておきます。
土の表面が乾きはじめたら、都度水やりを行いましょう。
約1週間後となる3月初旬、発芽を確認。
その2日後、かわいらしい双葉が開きました。
そして発芽から1週間ほど経過すると、成長点の部分に本葉が見え始めます。
さらに発芽から20日程度経過すると、本葉はしかっかりとしてきます。
苗がこのくらいまで大きくなり、外気温が最低5度を下回らないようなら外で管理を始めても大丈夫ですが、寒の戻りなどで一時的に寒くなるような日には、事前に室内へ避難させてあげましょう。
まだ夜の気温が心配な場合は、室内での育苗を継続します。
4月に入ったころ、ポットに複数のミニトマトが発芽している場合は、間引きを行って1株に絞り込みます。
1番元気が良く葉の色艶が綺麗なものを残すようにしますが、どれも似たような成長をしている場合は、双葉の様子を確認してみましょう。
双葉は成長に伴い枯れても問題ない葉となりますが、育苗の段階においては双葉が残っている方が健康に育っていると言えます。
写真のように、元気な双葉とそうでない双葉があれば、元気な双葉の方を残すようにすると良いでしょう。
どちらも元気が弱いという場合は、液体肥料のHB-101を散布してみましょう。
効果はHB-101の効果を実験してみた。で検証済みです。
植物だけでなく土も元気にしてくれるので、育苗には欠かせません。
HB-101の散布の効果もあり、ミニトマトの苗は順調に成長して4月末にはこのようになりました。
良いサイズに育ち、ちょうどゴールデンウィークの頃に畑へ植え付けができそうです。
もし成長が早く、ゴールデンウィーク前に1番花が咲きそうなら(関東地方)、早めの定植を検討しましょう。
ここからは、ミニトマトを植え付けるための土作りをご紹介していきます。
ゴールデンウィークに苗を植える場合は、4月中旬までに土作りを済ませておく必要があります。
まずは冬の間に、堆肥や腐葉土などベースとなる土作りは済ませておきます。
ミニトマト栽培を失敗しない為にも、必ず土のpH(酸度)は計測しておきましょう。
ミニトマトは弱酸性の土壌を好みますので、5.5~6.5のあたりで調整して下さい。
pHの計り方は、こちらの土のpHの測り方で詳しくご紹介しています。
そしてミニトマトの定植2週間前となる4月中旬。
土を深く掘り、まずは元肥(最初に投入しておく肥料)を撒きます。
このように土中深くに元肥などの有機肥料(緩行性肥料)を入れておくことで、ミニトマトが成長した際(実を付ける際)に時間差で効果的に肥料が効くようになります。
投入する肥料は「元肥」として売られている肥料でも良いですが、オススメはボカシ肥料。
肥料としての効果も高く、土壌にも有効です。
最近はトマト専用のボカシ肥料という物も存在していて、これを入れるだけで追肥(後から与える肥料)の必要性が無くなるという便利なものもあります。
元肥としてボカシ肥料などを地中に投入したら、土を埋め戻し、次は土の表面に元肥を投入します。
同色だったので分かりにくいですが、化成肥料とリン酸肥料を撒きました。
化成肥料は即効性がありバランスのとれた肥料、ようりんは化成肥料よりも緩やかに効き、実つきをよくしてくれる肥料です。
植え付けの時には、しっかりとこの2種類の肥料を使うようにしましょう。
これらの肥料を撒いたら、よく土を耕し肥料を土に馴染ませます。
これで土作りは完了。
あとは植え付け前に畝を作り、マルチシートを敷いておきまましょう。
マルチシートは敷くのがやや面倒かもしれませんが、マルチシートを敷いておくと雨が土に直接当たらないので、フカフカの土を保つことができたり、雑草が生えにくくなったり、土を温めてくれたりと、良い効果しかありません。
ミニトマト栽培を成功させる大事なポイントとも言えますので、特別な事情がない限り、必ずマルチシートを敷くようにしましょう。
次回はミニトマトの植え方と二本仕立てによる育て方をご紹介します。