子供が大好きなポップコーン。
大人でもおつまみや映画館で食べる方も多く、幅広い世代に人気のあるお菓子ですよね。
そのポップコーンですが、元がとうもろこしであることは皆さんご存じだと思います。
しかし、スーパーで売られている黄色いとうもろこしをフライパンで火にかけたり、炒ったりしても、ポップ(炸裂)することってありませんよね。
ポップコーンはとうもろこしから出来ているはずなのに、なぜ黄色いとうもろこしはポップコーンにならないのでしょうか?
ということで今回は、とうもろこしの種類のお話しから、ホップコーン用のとうもろこしの栽培方法までをご紹介していきたいと思います。
夏によく食べる茹でて食べるとうもろこし、スパーに出回っている黄色いとうもろこしはスイートコーンという品種で、大きなくくりとして「甘味種」と呼ばれる種類。
一番スタンダードなとうもろこしですね。
生でも食べられるとテレビ番組で話題になっている甘々娘という品種も「甘味種」になります。
一方、ポップコーンになるのは「爆裂種」という種類で、同じとうもろこしでも「甘味種」とは異なる種類です。
「爆裂種」では、イエローポップという品種がポップコーンになるとうもろこしとして有名です。
爆裂種の特徴は、とにかく皮が硬いことで、粒の中には水分とでんぷんが含まれています。
この硬い皮こそがポップコーンになる要因。
硬い皮をもつ爆裂種の粒に熱を加えると、粒の中の水分が膨張し、どんどんと内圧が高まっていきます。
限界まで圧がかかると硬い皮にヒビが入り、その瞬間、粒の中のでんぷんが一気に飛び出し固まることで、お馴染のポップコーンの姿となります。
これが爆裂種がポップコーンになる原理です。
一方、スイートコーンでは皮が薄すぎるためにこうはならず、内圧が加わる前に皮が破けてしまいます。
こういった皮の違いによって、甘味種を火にかけてもポップ(破裂)することがなくポップコーンにはならないのです。
つまり、茹でて食べるスイートコーンと、皮が硬くてポップコーンになる爆裂種は、同じとうもろこしでも、種類が違うと言う事になります。
今回、爆裂種のとうもろこしを育ててみようと思ったのは、お菓子になったポップコーンではなく、子供に保存料や添加物の入っていない、本来のオーガニックポップコーンを食べさせたいと思ったからです。
また、お店に並んでいるポップコーンではなくて「何から」「どうやってできているのか」ということも知ってもらいたいとも思っていました。
いわゆる食育というやつですね。
ということで今回は、とうもろこしの爆裂種を育てていきます!
通常のとうもろこしの育て方を知りたい方は、こちらのとうもろこしの育て方からご覧ください。
まず育てる品種ですが、上記でも触れました、サカタのタネから販売されているイエローポップを使用します。
このイエローポップは、実が大粒になるのでポップコーン向きで、栽培も容易なため、家庭菜園に最適な品種と言えます。
では、爆裂種イエローポップの育て方です。
まずは土作りから。
とうもろこしは一般的に肥料食いで、畑に溜まった肥料分を吸い取ってくれるほど吸収力の強い野菜でもあります。
ですから、冬のうちに堆肥を混ぜた土へ、しっかりと化成肥料を撒いておきましょう。
肥料を撒いたら十分耕し、畝を作ります。
肥料を撒いてから1週間後、肥料が落ち着いたらイエローポップの種まきを行います。
畝にくぼみをつけ、1箇所あたり3粒の種を撒きましょう。
とうもろこしは自分の花粉では受粉しにくいとされているので、2株以上、2列で栽培、また種まきの時期を少しずつずらしておくと受粉(他家受粉)しやすくなります。
種まきから発芽までは、土が乾かないように毎日水やりを行っておきましょう。
ここからはイエローポップの発芽から、成長の様子をご紹介します。
発芽は種まきを行ってから約1週間後でした。
3つの種全てから芽が出ましたので、イエローポップの発芽率はかなり高いようです。
芽が小さいうちはコガネムシなどの芋虫に食べられたり、鳥がつつく場合ももあるので、防虫ネットでトンネルを作っておくと安心です。
そして発芽から1週間後。
葉が開き始め、順調に成長しています。
さらに成長して、葉が重なり合うようになってきてたら1回目の間引きを行いましょう。
まだ根の張りは浅いので、簡単に抜く事ができます。
1本立ちさせるのは、背丈が20cm~30cmくらいになったころ。
時期としては5月初旬~5月中旬(温暖地)となります。
この頃には根もしっかりしてきているので、間引きの際は、残すほうの株が一緒に抜けたり根を傷つけたりしないように、優しくゆっくりと抜くようにしましょう。
とうもろこしの間引きは、抜く以外にも、はさみで根元から切ってしまう方法もありまして、慣れていない場合は、はさみを使う方が安心かもしれません。
1本立ちさせると急に大きくなるので、この頃には防虫ネットは外しておきましょう。
そして1本立ちさせて5日後。
成長も早まり、グングン大きくなってきています。
丈が1メートル近くになってきたら、追肥(後から与える肥料)を行います。
株と株の間に一握りの化成肥料を撒き、土に混ぜ合せましょう。
この肥料が、この後に成長する雄穂や雌花の養分となりますので、忘れずに行うようにしましょう。
次回はポップコーンの雌しべの付き方と人工授粉についてご紹介します。