家庭菜園におけるメロン栽培の難しさは、実の肥大から収穫までの工程にあります。
防虫ネットをかけられるくらいの大きさまでは、比較的簡単に育ち受粉も難しい作業ではありません。
問題なのはその後。
今回は栽培中のメロンが変色したり、腐ってしまう原因と対処法をご紹介したいと思います。
せっかく大切に育てたメロンの実が変色したり腐ってしまう原因は、ほとんどの場合「雨」にあります。
地這い栽培の場合は、伸びるつるにあわせてマルチシートを敷いていたり、藁を敷いたり、芝生へ誘導したりしていると思います。
しかしこのように、メロンの実が地面に設置している状態で1度でも冠水するほどの雨が降ると、メロンの実は水に浸かってしまって、ものの数時間でも実が変色してしまうことがあります。
どんな果物でも、1~2時間水に浸けていたらフニャフニャになってしまいますよね。
それと同じです。
ですから、1泊の旅行に行っていた間とか、仕事に行っていた時間など、知らない間にゲリラ豪雨があっただけでも、実が腐ってしまう可能性はあるのです。
また一度に降る雨の量が少なかったとしても、梅雨の長雨においても同じ結果を招く場合があります。
ですから、メロンの地這い栽培において気をつけなければいけないのは、6月の梅雨のシーズン、そして8月のゲリラ豪雨、さらに9月の台風シーズンということになります。
このような雨水の被害を受けないためにはどうしたらよいでしょうか?
プロのメロン農家さんがメロンを作る場合は、99%ハウス栽培です。
もちろん冠水被害を防ぐためでもありますが、メロンにとって大量の雨は実割れも引き起こす原因となりますから、商品価値を損なわないため雨に当てずに栽培をしています。
ハウス中では計算された水の管理が行なわれ、メロン栽培を行っています。
しかし、家庭菜園でハウスを作ると言うのは現実的ではありませんよね。
そこで私は、ネットをかけるためのトンネル支柱を利用して冠水被害を防いでいます。
やり方は簡単。
メロンが受粉し実が大きくなってきたら、「その場所に」トンネル用の支柱をセットします。
そして支柱に洗濯バサミなどで引っ掛かりを作り、メロンのツルを引っかけます。
すると写真のようにメロンの実が浮き上がり、下に空間ができるので冠水しても水に浸かる心配はありません。
家庭菜園などの小規模栽培であれば、この方法は簡単にできると思うので、ぜひお試しください。
次はネットを使う方法です。
地這い栽培であっても、実をつける孫づるまで伸びれば、離れた場所に誘因ができるはずです。
植え付け時にネットを立てられる場所を計算しておき、実が成る位置で支柱に結びつけたネットにツルを這わせていきましょう。
2本の支柱にネットが結べれば良いので、場所は自由ですし間隔が狭くても問題はありません。
このように、とにかくメロン栽培で大切なのは「メロンの実を雨水に当てない」ということになります。
冠水するような大雨の被害があった場合、上記で述べたように実が腐ってしまう被害の他にも、根腐れの心配もあります。
メロンが根腐れした時は、昨日まで元気だった葉が全て萎れますのですぐにわかります。
写真のように茶色く枯れていくのではなく、根から水分を吸収できずに萎れていくのです。
そしてその後、茶色くなって枯れていきます。
根腐れしてしまうのは、土中の水分が多くなったことにより病原菌が活性化したり、雨水を通じて菌が伝染してしまったことにあります。
つまり、メロン栽培にとって多量の雨は、実が収穫ができなくなる危険な存在ということになります。
もしも庭の中で雨の当たらずに栽培できる場所(屋根のある場所など)があるのであれば、その場所はメロン栽培に適した場所と言えるかもしれません。
次回はメロンにネットが入るのはいつ?アールスメロンの成長をご紹介します。