家庭菜園の無農薬メロン栽培においてアブラムシの発生は、収穫までメロンが健康に成長できるかどうかを左右する害虫となりますので、メロンの天敵と言っても過言ではない害虫です。
しかしアブラムシ発生の合図さえ見逃さなければ、十分無農薬でも対策が可能です。
今回はメロンに発生するアブラムシの合図から、アブラムシの駆除方法までをご紹介します。
アブラムシは光を嫌うため葉の裏に密集することが多く、特にその中でも他の葉の影になった葉の裏や、葉が密集した地表近くの葉に発生しやすくなります。
アブラムシが発生すると目で見て分かる変化が現れるようになります。
アブラムシ発生の合図を見落とさないように、1つずつ確認していきましょう。
まずはメロンの成長点である先端がの葉が萎えたり、葉が大きくならないケース。
新芽の頃からアブラムシに養分を吸われ、葉が大きくなれない状態です。
私の経験上、アブラムシは比較的若い葉(軟らかい葉)を好む習性があるようで、メロンの成長点にある新芽に集まりやすく、被害を受けた(養分を吸われた)葉は大きくならないことが多いです。
こんな風に成長点の葉が縮れていたり、萎えていたら要注意。葉の裏には必ずアブラムシがいます。
それでも発生初期であれば、こちらのアブラムシの対策と駆除方法でも紹介しているように、マスキングテープなどの粘着力の弱いテープで駆除することが可能です。
成長点を切ってしまうのは最終手段としましょう。
2つ目のアブラムシ発生の合図は、蟻の発生です。
蟻はアブラムシが出す甘い汁を求めて群がります。
アブラムシはというと、蟻に甘い汁を提供する代わりに天敵であるテントウムシから身を守ってもらっています。
つまり蟻とアブラムシは蜜月の関係。
普段より蟻の発生が多かったり、一部の株に蟻が集中しているような時は、アブラムシの発生を疑いましょう。
上記でも述べたように、発生初期であればマスキングテープで十分です。
しかしアブラムシが広範囲に発生してしまった場合は、他の株への被害を無くすため、その株は撤収してしまうと言うのが確実です。
広範囲に繁殖したアブラムシ。
もし育てている株が少なく撤収することが難しい場合は、「粘着くん」という商品を使ってみてください。
食品であるでんぷんを使用し物理的に窒息させるので、安全性が高く、野菜への影響がきわめて少ない駆除商品です。
また薬ではないので、アブラムシに抵抗性が生まれる心配もありません。
注意点としては、希釈量を間違えない事。
濃度が濃すぎると葉も呼吸ができなくなってしまうので、希釈濃度を守りましょう。
あとはメロンに適用する農薬を使用すること。
しっかりと検査された作物に使用するのであれば、回数や容量を守って使うことで農薬でも安全性は担保されています。
メロンに発生したアブラムシに適用する農薬は、家庭用農薬でも有名なスミチオンとなります。
農薬情報にもメロンが記載されています。
希釈濃度は1000倍~2000倍、5回まで使用可能です。
このように、アブラムシが発生した状況に応じて様々な対策や駆除方法が存在します。
家庭菜園の規模や、被害状況に応じて早めの対策をしていきましょう。
次回は栽培中のメロンが変色したり腐ってしまう原因をご紹介します。