さつまいまもは、定植して1ヶ月ぐらい経つとつるが長くなり、地を這うようになっていきます。
成長して伸びたつるを土の上で放置しておくと、ツルボケしてしまったり、意図しない小さな芋ができてしまって芋が太らなくなるなどの悪い現象が起きやすくなります。
今回は、長く伸びたさつまいものつるの管理方法から、つる返しについてご紹介していきたいと思います。
まずはさつまいもの成長の様子からご紹介していきましょう。
こちらが前回の(さつまいもの苗の植え方)から10日ほど経ったさつまいもです。
まだつるが短いため、上に向かって伸びています。
それから1週間後。
つるの長さが50cm程度になってくると、葉やつるの重みで横に倒れ、地を這うようになっていきます。
そして、さつまいもの定植から約2か月後。
沢山の葉が付き、家庭菜園のスペースを飛び出でるほど、つるが伸びました。
生育は順調なようです。
さて、この伸びたさつまいものツルですが、このままにしておくと冒頭でも触れたように小さい芋が出来てしまうなど、悪い事が起きやすくなります。
というのも、さつまいものツルは土や水に触れていると根を伸ばす性質があるからです。
このように、ツルの途中でも土に触れていると根が出てきてしまうことがわかります。
この現象は、さつまいもの苗を作る時にもご紹介しました。
このように水に浸けておくだけでも、さつまいもは根が伸びてきてしまうのです。
つるの途中から根が張ってしまうと何が起きるかと言うと、その根付いた場所にも小さな芋が出来てしまうということです。
そうなると本来大きくなってほしい芋に養分が送られなくなり、芋が太らなくなってしまいます。
その他にも、根が至る所から伸びてしまうと土の養分を吸い上げる量も多くなりますので、葉ばかりが多くなる「ツルボケ」という状態になってしまうこともあります。
ですから、さつまいものツルは土に接触させず、根付かせないようにしなくてはなりません。
そこで、さつまいも栽培の途中で行うのが「つる返し」という作業です。
やり方は簡単。
こんな風につるごと裏返しにしてしまいます。
結構グチャグチャになっていますが、こうすることによって土に根付こうとしていた根を切ることができます。
しかし、家庭菜園でさつまいもを育てている方は「さつまいものつるが伸びすぎてスペースがない」という方もいらっしゃるのではないかと思います。
そういう場合は支柱を使い、立体栽培にしてさつまいもを育ててみてはいかがでしょうか。
まずは長め支柱を用意します。
芋に当たらないように根元から少し離れた位置に支柱を立て、30cm間隔でさつまいものつるを結びつけていきましょう。
固定するのが1箇所だけだとずり落ちてしまったり、負荷がかかり過ぎてつるが折れてしまったりするので、重力が分散するように複数箇所を固定してください。
しばらくしてつるが伸びてきたら、支柱を増やして、つるがMの字になるように管理していくと良いでしょう。
この時も、カーブの部分にテンションがかかりすぎないように注意してください。
これで土に触れることもなく、省スペースでさつまいもを栽培することができます。
小さなスペースでさつまいもを栽培している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
次回は、さつまいもの収穫の見極めと収穫時期についてご紹介します。