こちらではとうもろこしの爆裂種、いわゆるポップコーンの成長と雌しべの付き方などについてご紹介していきます。
前回のポップコーン用のとうもろこしの栽培方法では、種まきから発芽、そして追肥までを行いました。
ここからは、追肥後の成長の様子をご紹介したいと思います。
とうもろこしは一般的に肥料食いとされていて、追肥を行うと著しく成長します。
それは爆裂種でも甘味種でも同じです。
こちらが追肥前。
そしてこちらが追肥をして約10日後の様子。
一気に葉の数が増え、茎が太くなったのがお分かりいただけると思います。
さらにここから10日ほど経過すると、茎の先端に雄しべ(雄花)が確認できるようになります。
これがイエローポップの雄しべ。
時期としては7月初旬ごろが目安となります。
とうもろこしの雄しべは、成長と共に縦に伸び、左右に穂の数を増やしていきます。
この写真のように穂が緑色をしている状態では花粉は出てきませんが、数日して穂全体が黄色く色づいてくると、花粉を落とすようになります。
その頃に雌しべが伸び始めていれば、上手く受粉することが可能となります。
ポップコーン(爆裂種)の雌花は、雄花を確認してから5日~1週間後あたりで確認できるようになります。
このように葉と茎の間から雌しべが出てきます。
そこから2日程度で細いヒゲが伸びてきますが、このヒゲこそがとうもろこしの雌しべ。
この細い雌しべ1本が受粉することで1粒のとうもろこしとなりますから、すべての雌しべに花粉が付いて受粉が行われれば、しっかりと実の詰まったとうもろこしとなる訳です。
とうもろこしの受粉について説明をしておきますと、とうもろこしは爆裂種でも甘味種でも同品種で違う株の花粉のほうが実が付きやすいとされています。
大量にポップコーンを育てていれば、風が吹くことによって花粉が舞い、自然と違う株の花粉で受粉に至ると思うのですが、家庭菜園のように栽培本数が少ない場合は、人の手で受粉(人工授粉)させてしまったほうが確実に受粉されます。
雌しべが伸びてくる頃には、雄しべも花粉を落とすようになっていると思いますので、黄色くなった雄しべを1本切りとり、雌しべへ擦りつけるようにして人工受粉を行いましょう。
葉の上に黄色い粉が溜まっていることから、ちゃんと花粉が落ちていることが確認できます。
このように毎日1本ずつ雄しべを切り落とし、穂が無くなるまで人工授粉を行っておけば、少ない栽培本数でも実付きはかなり良くなります。
イエローポップは順調に育っていくと1本に2か所ほど雌しべが付くと思います。
甘味種であれば摘果という実を減らして絞り込む作業を行います。
甘味種なら摘果をすれば品質は良くなりますし、摘果した小さい実もヤングコーンとして食すこともでき効果的です。
一方爆裂種の場合は、生食ではありませんし、摘果をしても品質や味にあまり変化がおきません。
よって爆裂種は収量を重視するほうが効果的となりますので、摘果を行う必要はありません。
ただ、あまりに育ちが悪かったり、大きくならない雌しべがあれば葉面散布もできる液体肥料、HB-101を使ってみましょう。
ほとんどこれで解決しますが、それでも変わらなければ摘果も検討しましょう。
それでは最後に、爆裂種の人工受粉後の成長を確認していきましょう。
こちらは受粉を行ってから5日後のポップコーンの様子です。
ポップコーンはスイートコーンと比べ細身となりますが、写真からも膨らみが出てきているのが分かると思います。
これが受粉が上手くいって粒が膨らんでいる証となります。
さらに5日(人工受粉から10日)が経過。
ポップコーンが重みで傾きはじめました。
雌しべであるヒゲも枯れ始めてきているのが分かります。
そして受粉を行ってから約15日~20日、雌しべであるヒゲは完全に茶色く枯れあがりました。
生食のスイートコーンであれば「そろそろ収穫~」と思うところですが、今回収穫するのは爆裂種であるポップコーン。
乾燥した穀物として収穫を行いますので、完全に枯れて(乾燥して)からが収穫となります。
よって収穫時期はもう少し先となります。
次回はポップコーンの収穫時期と乾燥方法についてご紹介したいと思います。