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トマトの水やりと実割れついて

カテゴリー:大玉トマトの育て方 投稿日時:07月04日 

家庭菜園におけるトマト栽培で、水をあげすぎたら実割れするとか、トマトの味が薄くなってしまう、という情報を1度は耳にしたことがあると思います。
トマトの水やりはいつすればいいのか?どれぐらい水やりをすればよいのか?
今回はそんな悩ましいトマトの水やりと、トマトの特徴を合わせて考えてみたいと思います。

本来トマトに水はいらない!?

トマトの祖先はアンデス高地の野生種だったと言われています。
アンデス高地は乾燥地帯、そして昼夜の寒暖差が20度近くもあるような過酷な環境です。
アンデス高地のイメージ
トマトの原種はこのような環境でどうやって水を獲得していたのでしょうか。

トマトの茎には産毛のような細い毛が沢山付いているのを見たことがありますか?
トマトの産毛トライコーム
このように茎から伸びている白い毛を「トライコーム」と呼ぶそうです。
寒暖差の大きいアンデス高地では、朝になるとこの細い毛(トライコーム)に結露で水滴がつき、それを吸収することでトマトは水を得ることができていたそうなんです。
トマトにはこういった自ら生き抜く機能と知恵をもっているために「トマトに水やりは必要ない」と言われる要因になったのだと思います。

確かに、昼と夜の寒暖差が激しく結露が起きるような環境であれば、トマトに水やりの必要はないと思います。
でもこれは、ごく一部の限られた環境での話し。
日本の住宅地や平地でトマトを育てている場合は、結露が生じる温度差があるとは言えませんよね。
結露が起きなければトマトは自力で水を得ることができませんので、やはり水やりは必要ということになります。
ただ日本は降水量も多い国。
定期的に雨が降っていれば水やりは不要となります。
反面、空梅雨や猛暑ということも起きるのが日本。
「トマトに水やりは必要ない」と言いきってしまうことは間違いで、雨が降らなければトマトにも水やりは必要です。


水やりをするタイミングは表面の土がカラカラに乾いていて、葉も目に見えて乾燥して(萎れて)いたら軽く水やりを行いましょう。
もしくは早朝にトライコームへ霧吹きをしてあげるのもよいかもしれません。

プランターでは地植えよりも水切れは早くなりますが、水やりのタイミングは上記と同じです。
週に1度くらい雨が降っていれば水切れの心配はほとんどありませんが、観察を怠らないようにしましょう。

水のやりすぎは実割れの原因?

次は水と実割れの関係について考えてみましょう。
トマトは水をあげすぎると実割れをするという話しは皆さんご存知かと思います。
特に乾燥した状態から一気に水やりをすると実割れすると言われていますが、これは理にかなっているというか、自然の摂理そのものと思えます。
トマトの実割れ
トマトはもともと乾燥した土地で育ってきましたので、種(子孫)を残そうと考えれば、乾燥した土よりも、雨が降って湿った土へ種(実を)を落とす方が、種が繁栄する確率は高くなります。
もしくは実が割れることにより鳥や小動物に食べられ、種子を遠くへ運んでもらうこともできます。
つまりトマトは実が割れることによって種が残せるのですから、実割れするのは自然の現象だと考えることができます。
そのトリガーが水にあるということなんでしょう。

しかし私の経験上では、水やりよりも強い日差しによってトマトの実が割れることの方が圧倒的に多いです。
これはなぜでしょうか?



その理由は考えてみると上記よりも単純で「熱膨張」による実割れです。
トマト内部にふくまれる水分が膨張することにより、皮が引っ張られ実割れが起きていると考えています。
これは私だけの経験ということではなくて、直射日光が当たらないようになっているハウス栽培のトマトでさえ、夏の日差しは強すぎてトマトが割れると言います。
こういった理由もあってか、トマトの旬は5月~7月とされていて、プロのトマト農家さんでも暑すぎる真夏にトマト栽培をしている方は稀のようです。

ですから家庭菜園におけるトマト栽培も、水やりに気を使うよりも、なるべく8月を避けて収穫ができるようなスケジュールにすると、トマトの実割れは起きにくくなると思います。
そして水やりは、トマトが苦しそうにしていたら水やりをする、という程度で良いと思います。

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