家庭菜園にとって大玉トマトなどの冬に発芽させる野菜は、少し栽培の難易度が高いようで種が発芽しないと悩む方も多いようです。
種が発芽しないときの具体的な対処法は記事中ほどでご紹介しますが、大玉トマトの品種として敷居が低く、家庭菜園初心者でも作りやすい品種は、今回育て方をご紹介する「ホーム桃太郎」です。
「桃太郎トマト」というトマトはスーパーなどでもよく見かける品種だと思うのですが、その桃太郎を家庭菜園用に育てやすく品種改良されたトマトが「ホーム桃太郎」です。
我が家の主力トマトは、こちらの大玉トマトの種まきと発芽でも紹介している「麗夏」なのですが、初めての方は今回ご紹介するホーム桃太郎から栽培してみることをおすすめします。
麗夏の育て方でもご紹介はしていますが、家庭菜園におけるトマトの旬は6月~7月が目安となります。
一般的に「真夏の8月が旬」というイメージのあるトマトですが、家庭菜園では熱く強すぎる日差しを遮ることができないため、真夏はトマトの実割れが頻発します。
したがって家庭菜園におけるトマトの栽培は7月初旬をピークとして、8月の栽培はなるべく避けたい時期となります。
とはいえ太陽の光を沢山浴びた完熟トマトは、なかなかスーパーに並ぶことはありません。
完熟し採れたてのトマトを味わえるのは家庭菜園の醍醐味ですから、実割れの起きにくい7月に完熟トマトの収穫を目指して、大玉トマト栽培をぜひ成功させてください。
8月の熱すぎる日差しを避け7月に収穫を行うためには、逆算して2月くらいに種まきを行い発芽させ、4月中に定植、6月に収穫を始めるというスケジュールになります。
しかし日本の冬の外気温は、最高気温でも10度を下回る状態。
普通にトマトの種をポットへ植えたのでは発芽まで何週間もかかってしまうか、もしかしたら4月まで発芽しないという事態になりかねません。
そうなると大玉トマトの収穫のピークが真夏になってしまうため、冒頭でもご説明したように実割れなどの失敗リスクが高まってしまいます。
ではどうしたら真冬の2月に発芽させることができるのでしょうか?
夏野菜を発芽さえるために私が使用するのが、ヨーグルトメーカーの「ヨーグルティア」!
売り切れ・取り寄せが頻発している大人気商品ですね。
ヨーグルティアとはヨーグルトや発酵食品を自宅で製造・増殖できる、いわゆる保温器となります。
察しの良い方はもうわかったかもしれませんが、この保温器を種を発芽させるために使ってしまいます!
植物専用の保温器は家庭用と呼べるタイプは無くかなり高額で、それなりに大きく場所を取ってしまい、かつ発芽・育苗という目的にしか使えません。
しかしこのヨーグルティアはそこそこ安価で温度設定範囲が広いため植物の発芽用保温器としても使え、もちろん本来の使い方として、甘酒や自家製味噌、R-1ヨーグルトなどの高級ヨーグルトも量産が可能です。
(ただし説明書にはこのような発芽用の使い方は載っていないので自己責任でお願いします)
こちらは実際にR-1ヨーグルト112グラムをヨーグルトメーカーで増やした様子。
このように112グラムのヨーグルトを1.3kgに増やせるので、とても経済的です!
ここからはこの保温器であるヨーグルティアを使った発芽方法をご紹介します。
この方法は発芽に温度が必要な種においては応用が可能で、冬場であってもこの方法を使うと大玉トマトに限らずほぼすべての種を確率で発芽させることが可能です。
ですから、トマトの種が発芽しないとお悩みの方がいれば、ぜひお試しいただきたい方法となります。
では、実際のやり方をご紹介します。
まずはトマトの種を半日(もしくは一晩)ほど水につけておき、種の「発芽スイッチ」を入れます。
半日が経過したら、キッチンペーパーを半分に切り2つ折りにします。
切ったキッチンペーパーにHB101を1滴垂らした水を含ませ、垂れ落ちない程度に絞ります。
HB101とは?
植物から抽出された天然の植物活性液で、家庭菜園でも安心して使用できる液体肥料。
HB-101を使った場合と使わない場合で発芽比較実験をした記事がありますので、こちらのHB-101の効果を実験してみた。も参考にされてみてください。
水とHB-101を染み込ませたキッチンペーパーに種を2~3粒ほど撒いて、もう一度キッチンペーパーを折りたたみます。
種をサンドイッチするイメージです。
種の準備ができたら、キッチンペーパーごと直接ヨーグルティアの中へ投入します。
温度は30度~40度に設定して、暗い場所に置いておきます。
これで準備は完了。
設定時間については、自分で様子を見にいける範囲内で設定しておきましょう。
水切れしないように5~6時間刻みがいいかもしれません。
水が蒸発していれば再度キッチンペーパーに水を含ませながら24時間~48時間様子を見てください。
私の場合は、翌日には発芽を確認することができました。
想像以上に早い発芽となりました。
さらに3日目の様子。
順調に根が伸びている様子が伺えます。
種の発芽に成功したら、新たに水+HB-101を含ませたキッチンペーパーを用意して、タッパーによる保温管理へと移行しましょう。
数日で根が伸び双葉が現れそうな状態にまで育ちますから、こうなったらいよいよ育苗用のポットへと移植します。
土に穴をあけ、種のカーブしている部分を少しだけ土から出るようにして埋め戻します。
すると翌日には双葉が開きました。
ヨーグルトメーカーを保温器として使用してからたった1週間で、大玉トマトの双葉が開くまで成長させることができました。
このようにヨーグルティアを使った発芽方法は非常に成功率が高く、さらに発芽までの日数をかなり短縮することができます!
トマトの種や冬撒きの種が発芽しないと言う方は、ぜひ試してみていただければと思います。
この後のトマトの栽培方法に関しましては、こちらの大玉トマト(麗夏)の苗作りを参考にしてみてください。