今回は春に植えて初夏に収穫するじゃがいもの植え方についてご紹介します。
じゃがいもは家庭菜園の中でも割と手間もかからず、水やりの頻度も少ないので失敗も少なく簡単な分類に入ると思います。
それになんといっても、採れたての新じゃがは格別。
自分で作らない限りは採れたてが食べられる機会ってないような気がします。
ただ新築住宅などの庭で行う家庭菜園では、じゃがいもを「大きくする」ことに難しさがあります。
ポイントとしては、葉をたくさんつけ大きくする、収穫時期がくるまでちゃんと待つ、という2点だけなのですが、初心者の方からすると失敗してしまうトラップが…。
それは多く収穫したいからと欲張って植え付け間隔狭めてしまうこと。そうすると栄養が分散して大きく育ちにくいです。
また春植えのじゃがいもを植える時期は、他にも色々な苗が売られてくる時期です。
他の野菜を植えたい(苗を買ってきてしまった)から、スペース確保のためにじゃがいもの収穫適期を待たずに収穫してしまう、ということも大きくならない原因の1つです。
家庭菜園では庭の大きさによって育てられる量に制限がありますから、欲張らずにスペースの利用方法を事前に計画しておくことが大切です。
じゃがいもは種から植えるのではなく、2月中旬から出回る「種芋」を植え付けて栽培します。
スーパーで売っているような芋は栽培用ではありませんので、衛生的に管理されたタネイモを購入しましょう。
メークインの種芋
男爵芋の育て方はこちらのじゃがいもの種芋の植え方(男爵芋)でご紹介しています。
さて、じゃがいもを植えるための土作りですが、実はあまり行うことはありません。
植え付け前に施す「元肥」も必要ないですし、PHが弱酸性で整っていればそれでOKです。植え付け前の石灰もいりません。
逆に肥料が多すぎる土を使うと水っぽくなる傾向があるようなので注意しましょう。
次に購入した種芋の準備です。
種芋はそのまま植えるのではなく、適当な大きさに切ってから土に植え付けます。
家庭でじゃがいもを食べるときに取り除いている「芽」の部分から発芽しますので、この芽の部分が均等に振り分けられるよう種芋を半分にカットしましょう。
写真の種芋の左側と下側が芽です。
1/3や1/4でも大丈夫ですが、しっかりと芽のある所を残さないと発芽しない可能性もあるので、家庭菜園の場合は半分で使用するのがおすすめです。
種芋を切った直後に出てくる水分をキッチンペーパーで拭きとり、切り口から菌が入ったり腐ってしまうのを予防するために1日~2日程度日陰で乾燥させます。
表面がカサカサに乾燥したらOKです。
ここまで準備ができたら次はいよいよ種芋を土へ植え付ける作業です。
両サイドに30cmほどのスペースをとり、真ん中に10cm~15cm程度の溝を作ります。
その溝に種芋の切り口を下にして、30cm間隔で並べていきます。
間隔が広くなる分には構わないですが、いっぱい収穫したいからといって狭くすると失敗の原因になります。注意しましょう。
種芋を並べたら、じゃがいもを植えた部分だけ両サイドから軽く土を盛ってあげます。
あまり厚くする必要はありません。
そして次に種芋と種芋の間の土を被せていない箇所に軽く化成肥料をまきます。
こうすることによって直接肥料が種芋にあたることを防ぎつつ、じゃがいもが成長し根を伸ばし始めたタイミングで肥料が効くようになります。
最後に化成肥料を撒いた場所も土を戻して、じゃがいもの植え付けの完了です。
しばらくは種芋の養分で成長するので、適度に雨が降っていれば水やりは行わなくても大丈夫です。
じゃがいもの発芽は約20日~30日となります。
なかなか芽が出ないからと言って掘り返したりするのはやめましょう。
芽が出てこなくても意外と根が張り出しています。
次回はじゃがいもの発芽をご紹介します。