「甘くておいしい人参を食べたい!」と思って、家庭菜園で人参栽培に挑戦する方は多いかと思います。
しかし、家庭菜園における人参栽培は意外と難易度が高く、種まきしたのになかなか発芽がしないと悩む方が多くいらっしゃいます。
そんな難しい人参栽培ですが、家庭菜園でも成功しやすい人参の種まきのやり方から、発芽しやすくする方法をご紹介していきたいと思います。
まずは人参の品種選びから行いましょう。
数ある人参の品種の中から、家庭菜園でも育てやすくおすすめなのはベーターリッチという品種。
人参特有の人参臭さ?土臭い感じ?が少なく、とっても甘いので、特にお子さんのいる家庭へおすすめしたい品種です。
もちろん、すで好みの品種がある場合にはその品種を育てていただければと思います。
そしてこちらがベータ-リッチの種です。
真っ白で大きい!と思った方もおられたでしょうか?
実はこれペレット種子といいまして、小さい種でも種まきがしやすいようにコーティングされている種なんです。
さらにこのコーティングには病気を予防したり防虫効果もあるため、未コーティング種子よりも発芽させやすい設計になっています。
ペレット種子はコーティングの固さがデメリットになることもあるので、種蒔き30分前に水につけてふやかしておくと良いでしょう。
人参は根を食べる根菜類。
根が伸びにくい硬い土だったり、土の中に石が混ざっていたりすると、二股・三股に分かれた不出来な人参になってしまいます。
土づくりの段階で、しっかりと土を耕して石などを取り除いておくことが大切です。
土が柔らかくなったら、堆肥と元肥(最初に入れておく肥料)として軽く化成肥料を撒き、よく混ぜ合わせます。
冬のあいだに堆肥などの有機肥料をすきこんでいれば、化成肥料だけで充分です。
※人参は肥料が少ない方が、根を下へ下へと伸ばしやすくなります。
元肥を入れたらこのまま一週間ほど寝かせ、幅50cm高さ10cmほどの畝を作り、土作りの完成となります。
この人参の土作りですが、種まきが雨の季節になるように逆算して行ってください。
温暖地では5月下旬(梅雨)か9月ごろ(秋雨)までには土作りを終えておくほうが良いと思います。
それでは肝心の人参の種まきのやり方についてご紹介していきます。
人参が家庭菜園で難しいとされている点は、その発芽率の悪さにあります。
その為、発芽さえ成功すれば、人参栽培の半分以上が成功したと言っても過言ではありません。
この発芽率を上げるためには、種まき前の土にHB-101を与えて、土の微生物を活性化させ発芽率の上昇を狙います。
これをやるとやらないとでは、家庭菜園における成功率がかなり変わってきます。
※HB-101の効果については、こちらのHB-101の効果を実験してみた。でご紹介しています。
次に、種をまく道筋を作るために、余っている支柱や廃材を使って畝に幅1cmほどの溝をつけます。
人参は好光性種子なので溝は浅めにし、この溝にそって1cm間隔で種をまいていきます。
1cm間隔だと「狭すぎる!」と思われるかもしれませんが、人参は隣り合った株と競い合わせることで根が深く張ったり成長が良くなるという性質があります。
この性質を利用することと、前述したように人参は発芽率が悪いので、最初から発芽しない分も計算して種を多めに撒いておく、という2つの理由から1cm間隔で種を撒きます。
種を撒いたら、種がうっすら隠れる程度に土を被せましょう。
土を被せたら、種が流れないように優しく水やりをして種まきの完了となります。
人参の種を発芽させるために大事な点は2つ。
種まき後に土を乾燥させないように雨の季節に種まきを行い、必要であれば1日3回水やりをすること。
そして気温が低かったり、雨が少ない場合には不織布をかけておくことです。
この2点に注意をすれば、かなりの確率で発芽してくれるでしょう。
次回は人参(ベーターリッチ)が発芽するまでの様子をご紹介します。