今回は家庭菜園におけるキャベツの育て方をご紹介します。
自然災害などの影響で野菜価格が高騰する際、大きく値段の上がるキャベツ。
しかし家庭菜園で育てておけば費用はほとんどかかりませんし、採れたての新鮮なキャベツを丸々1個収穫することができます。
お金がかからずに新鮮な野菜が食べられる、これこそが家庭菜園の醍醐味ですね!
キャベツの栽培適温は15度~20度。
季節で言うと春と秋に栽培が可能な野菜となります。
どちらも育て方は同じとなりますが、今回は比較的育てやすいとされる秋植えキャベツで育て方をご紹介していきたいと思います。
キャベツは種から育てた方が経済的となりますので、今回は種から育てていきます。
種まきは8月初旬、そこから1ヶ月間はポットで育苗を行います。
そして9月初旬~中旬に畑へ定植という流れになります。
秋植えキャベツ栽培で1点注意しなければならないのは害虫による食害です。
特にキャベツは青虫が付きやすい野菜なので、放っておくと収穫できないくらいに食い荒らされてしまうこともありますから、気をつけなければなりません。
ただしっかりと防虫ネットを使って、キャベツと害虫を物理的に遮断してしまえば問題にはならないかと思います。
そして収穫は品種によりますが、11月初旬~1月ごろがピーク。
定植から3ヶ月弱(70日前後)で収穫できる品種もあれば、100日以上必要な品種もあります。
それではキャベツの育苗からご紹介していきましょう。
今回使用した種は「アーリーボール」という品種の種。
葉が柔らかく生食が最適で、特にサラダに向いているサラダキャベツとなります。
アーリーボールは定植から約70日程度で収穫ができるので、家庭菜園向きの品種です。
早めに植えられる早生種ですが、今回は一般的なキャベツと同じ栽培時期で育てていきたいと思います。
まずは種を目覚めさせるため、半日ほど水に浸けておきましょう。
これで発芽が促されます。
それでは種まきです。
土を入れたポットを用意して、1ポットあたり3粒程度の種を撒いていきます。
種をまく穴は1cm~1.5cm程度。
土を被せたらたっぷりと水やりをしておきましょう。
種まきから4日後、種まきをした全てのポットで発芽を確認。
発芽率は相当高いようです。
さらに種まきから10日後。
本葉を確認することができました。
種まきから15日が経過、葉も重なりだし混み合ってきました。
ここで1回目の間引きを行いましょう。
間引きはポットの中で1番小さい芽か、1番元気のない芽を1つ摘みます。
他の根を傷めないように、優しく引き抜くようにしましょう。
間引きを行ったことによって、残った株の成長はこれまでよりも早くなります。
再度葉が重なりだしたら、もう一度間引きを行い、最終的に1本に絞り込みます。
写真でもご覧いただいているように、今回の育苗は屋外で行い、防虫ネットなどを使用せずに育てていました。
すると案の定、虫食いを確認。
どうやらモンシロチョウに産卵をされたようです。
この黄色い縦長の卵はモンシロチョウの卵の特徴です。
食害されているということは、すでに孵化した青虫がいるということになります。
このように育苗中に虫食いを確認したら、蝶の卵や孵化した青虫がいないか隅々まで確認してください。
まだ若い苗は食害にあっただけでも、最悪枯れてしまうことがあります。
食害を受けたら青虫を見つけて補殺→食害が止まるまで毎日観察、この作業を怠らないようにしましょう。
育苗と並行してキャベツを育てるための土作りも行っていきましょう。
まずは土の酸度のチェックから。
使用するのはこちらの試験液です。
このような試験液を使えば、簡単に土の酸度をチェックできます。
使い方は土を溶かした水に、試験液を2滴入れるだけ。
色の変化を見て弱酸性(5.5)~中性(7.0)だったらOK!
夏野菜を育てた後だったり、酸性が強かったら、酸度調整とミネラル補給のために軽く粒状苦土石灰を撒いておきましょう。
粉の石灰より粒状の方が撒きやすく、ゆっくりと効いてくれるのでおすすめです。
石灰を撒いて2~3日寝かしたら、次は元肥(植え付け前に入れておく肥料)を入れていきます。
化成肥料とリン酸肥料であるバッドグアノを軽く投入。
しっかりと耕してさらに1週間ほど寝かせます。
そして最後に畝を作って土作りの完成です。
それでは最後にキャベツの苗の植え方(定植)です。
まず畝からポットが入るくらいの土を取り除きます。
そして、土が崩れないようにしっかりと水を与えた苗を、畝の穴へ挿入します。
まわりの土を軽く押さえたら、水を撒いて土を馴染ませてあげてください。
複数育てる場合の株間は30cm程度を目安としましょう。
最後にトンネル支柱を立て、防虫ネットをしたらキャベツの定植は完了です。
涼しくなり始めた9月~10月は害虫の活動も活発となりますので、防虫ネットは必ず張るようにしましょう。
収穫はこの植え付け作業から2ヶ月半後が目安となります。
おおよその日付を確認しておきましょう。
次回はキャベツの土寄せと追肥についてをご紹介します。