家の庭で家庭菜園を行っている方は、何かしらの方法で庭と家庭菜園スペースの仕切りをしていると思います。
既製品の樹脂で作られた柵などで仕切りとしている方も多いのではないでしょうか?
もし本格的にお庭をオシャレにしたいと思ったら、既製品ではなく本物のレンガを使って仕切りをすることをお勧めします。
多少時間と手間はかかってしまいますが、愛着の湧く家庭菜園スペースになるはずですよ。
レンガを積むのは、DIYが得意だったり、日曜大工をよく行う人にとっては簡単な作業です。
ただDIY経験の少ない方にとっては敷居が高く感じられるかもしれません。
ただやること自体は凄く単純ですから、ゆっくり丁寧に時間をかければ必ず出来るはずです。
まずはレンガで仕切りを作るのに準備するものです。
ご自宅にあるかどうか確かめながらご覧ください。
・シャベル
土を掘るのに必要。
家庭菜園用に、手頃なサイズのものが1本あると便利です。
・レンガ
ホームセンターで1個あたり100円しないと思います。
色を統一しても良いですし、3色使ってランダムに設置してもオシャレになります。
・1m以上の細い角材
レンガにモルタルを敷くために使います。
ホームセンターなどでが売られています。
・コンパネ(ベニヤ)
大きい1枚板、こちらもホームセンターで手に入ります。
家庭菜園の広さに応じて用意します。
高さは20cmほどあれば十分なので、1枚板を20cmに間隔でカットしてもらいましょう。
・コテ
・平目地コテ
モルタルを均すのに使用します。
特に綺麗に仕上げるための平目地コテは必須です。
・バケツ
モルタルを練ったり、レンガを水に浸したりするのに使います。
・セメント、川砂、砂利
ホームセンターの外売り場で売っています。
これらが用意するものですが、これから説明する手順を見てから再度確認した方がイメージが湧くかもしれません。
まず最初は、レンガを水につけることから始めましょう。
バケツや水栓パンなどに水を溜めて、レンガを沈めておきます。
レンガは焼物。
表面は完全に乾燥していて、そのままモルタルを付けてもすぐに剥がれてしまいます。
ですからレンガとモルタルとの接着を良くするため、事前にこのような作業が必要となります。
これは何日前から始めても構いません。
それでは本格的な作業に着手していきましょう。
まずは家庭菜園と庭を仕切りたい場所(レンガを積む場所)を20cm~30cmほど掘って溝にしていきます。
四角でなくても構いません。
仕切りたい形、家庭菜園スペースの外周に溝を掘りましょう。
溝を掘っていき固い土の層が表れたらOK。
掘った溝をさらに足で踏んだりして、踏み固めておきます。
余った残土は腐葉土にすることもできます。
こちらの庭の残土を使った腐葉土の作り方でご紹介していますので参考にしてみてください。
掘った溝の両サイドにコンパネを立てかけます。
見やすくする為に1枚だけしか映っていませんが、本来は溝の左右にコンパネを立てます。
下地のモルタルを流し込むために砂利を撒いていきます。
撒き終えたら足で踏んで、地盤を固めていきましょう。
ここにモルタルを流してレンガを積む土台とします。
モルタルは、バケツや舟に「セメント1:砂3」の割合で投入。
水なしでしっかり混ぜあわせてから、少しネットリするくらいまで水を入れて作ります。
初めての場合は水の加減が分からないと思うので、水を少しずつ入れて自分が使いやすい粘度を探してみましょう。
出来上がったモルタルをコンパネの中に流し込むとこんな感じになります。
表面はコテを使って平らに均します。
1日以上乾燥させてコンパネを外すとこんな感じ。
これがレンガを積む土台となります。
なんとなく作業のイメージができてきたでしょうか?
最終的には周りを土で埋めますので、この下地は外から見えなくなります。
この作業を家庭菜園スペースの外周すべてに行っていきます。
本来なら外周すべてにコンパネを立てて、一度にモルタルを流し込む方が良いのですが、1辺ずつ時間をかけてやっても問題ありません。
その際はモルタルが流れ出ない様に、コンパネの端を塞ぎながら流し込むようにしましょう。
私も時間が無かったので1辺ずつ作業しました。
分割して作業したコーナー(角)の下地はこんな風になります。
奥に見えるのが最初に作業した下地で、時間が経っているのでカチカチ。
手前の下地はまだ乾燥していません。
それでも全ての下地が乾燥するころには、亀裂が入ったりする問題もなく、下地はしっかりと完成しました。
作業を分ける際の注意点としては、コンパネをその前に作った下地とモルタルが繋がるように立てて、しっかりと密着させることです。
下地が出来上がったら、いよいよレンガを積んでいきます。
まずは実際にレンガを積む前に全体に並べてみて(仮置き)、レンガとレンガの隙間をどれくらいとったらいいのか確認しておくと良いでしょう。
まずは1段目のレンガを積みます。
1段目は、しっかりと下地と密着させることがポイント。
コテを使ってレンガの裏側にモルタルを塗り、
土台にしっかりと押しつけます。
モルタルがはみ出たら、都度コテですくっておきましょう。
これを繰り返し、1段目を並べていきます。
レンガを並べ終わったら、次にレンガとレンガの隙間にモルタルを詰めていきましょう。
隙間に少しのモルタルを置いて、
平目地コテを使ってモルタルを押し込み、横から整形していきます。
1段目なので、見栄えを気にする必要はありません。
レンガ同士がしっかりと繋がっていれば、それでOKです。
1段目は下地にしっかりと密着させることが目的でした。
2段目以降は、完成後外からも見える場所となるので、見栄えを考えながら作業していきます。
仕上がりを考えた時に、レンガとレンガの間のモルタルが見えているとあまりオシャレなレンガとは言えません。
今回はあえて細めにモルタルを置いて、モルタルが見えない様なレンガの積み方をしていきたいと思います。
説明だけでは分からないと思いますので、先に仕上がり写真を。
仕上がりはこんな感じになります。
ただこんな風にモルタルが見えないようにレンガを積んでいくのは、職人さんじゃないとできません。
でもあるものを使えば、素人DIYでも簡単にレンガを積むことができます。
そのあるものとは、用意するもので明記した長めの角材。
これを『コ』の字に組んで、モルタルを流す型枠にしちゃいます。
木材を釘で留めただけの簡単型枠。
使い方は簡単。まずはレンガの上にこの型枠を置きます。
あとはモルタルを入れるだけ。
この角材の型枠は、内側の空間がレンガより狭い幅になっているので、ここにモルタルを流せば、簡単にレンガより細くモルタルを乗せることができます。
しかもこの型枠を使うと、簡易的ですが水平をとれたり、また傾きを水平に直したりすることができる、意外と優れものなんです。
※なぜ『ロの字』ではなく『コの字』で組むのかと言うと、コの字の方が様々な長さに対応できるためです。
長い距離の型枠として利用する場合、コの字の空いている部分を左右反転させれば距離を稼ぐことができますし、短い型枠にしたい時は途中で仕切りを入れれば短くなります。
つまりロの字にして長さを決めてしまうよりも、コの字の方が長さ調節をしやすいということなのです。
1段目のレンガの上にモルタルを乗せたら、モルタルがはみ出さない様に優しくレンガを置いていきましょう。
こんな風に、1段目とは互い違いに並べます。
もしレンガの重みでモルタルが漏れてきてしまったら、平目地コテですくっておきましょう。
さらに綺麗に仕上げるためには、水平器を使いながら調整すると綺麗になります。
2段目が終わったら、1段目同様、隙間にモルタルを詰めていきます。
手順は先ほどと同じで、モルタルを乗せたら平目地コテで押して整えてください。
この要領で2段目、3段目…とレンガを積んでいきます。
コーナー部分は、1段目と2段目が交差するようにレンガが並びます。
必ず、1段目を終えてから2段目を積んで行きましょう。
そして最後に、一番上の段(表面)の隙間の埋め方です。
モルタルを乗せて、平目地コテで整形するところまでは一緒。
この後レンガを見ると、こんな感じでモルタルを乗せた部分が汚れてしまっていると思います。
このまま乾燥すると、この形で白くなってしまいます。
この上にレンガを積むのであれば問題はないのですが、これが一番上の段だと見栄えが良くないですよね。
そこで使用するのは、古スポンジ。
固く絞ったスポンジで、はみ出したモルタルをなぞってあげると、
このように綺麗にふき取ることができます。
※1回だけではモルタルは残ってしまいますので、何回かに分けて余分なモルタルを染み込ませます。
スポンジの濡れたところや乾いたところを使い分けながら、綺麗になるまで擦ってみてください。
全ての拭きあげが終わったレンガがこちら。
このまま乾燥を待ちましょう。
この間、足で乗ったり負荷をかけたりしたりしてはいけません。
レンガが外れてしまいます。
そして完成した、レンガの仕切りがこちら。
芝との境界線がはっきり区別されました。
コーナー部分はこんな感じ。
内側から見た完成の様子。
内側はほとんど見ることがありませんので、参考にはならないと思いますが…。
このように家庭菜園スペースをレンガで囲うとオシャレになるだけでなく、外から内、内から外への根の侵入を防ぐことができます。
例えば近くに芝を張ったり、他の木々を植えても、根が浸食しあうことがありませんし、また土も混ざり合うことが無いので、それぞれ適した土を用意することも可能になります。
乾燥工程などもあるので少し時間のかかってしまう作業ですが、お庭をオシャレに彩ってくれることは間違いなし!
週末や空いた時間で作業してみてはいかがでしょうか?