じゃがいもは種芋を植えてから発芽するまで、比較的時間のかかる野菜です。
外気温に左右されやすく、気温が低いとなかなか発芽しません。
ただ、土の中では種芋から根が伸びていたりするので、掘り返してじゃがいもを確認したりするのは避けましょう。
今回はじゃがいもの発芽の様子と、芽かきという作業についてご紹介します。
芽かきの詳しいやり方は後半にご紹介するとして、まずはじゃがいもの発芽の様子をご覧ください。
こちらがじゃがいもの発芽の様子。
このように「モシャ」っと出てきます。
まだ寒い2月の段階で種芋を植えましたので、発芽まで約25日ほどかかってこの状態となりました。
一般的にじゃがいもの発芽は20日~30日と長い時間が必要ですが、特に世話をする必要もないので気長に待つようにしましょう。
そしてこちらは発芽から5日が経過した様子。
1つの種芋から複数の芽が出てきているのがわかりますね。
さらに5日が経過し、発芽から10日後の様子です。
1つ1つの葉が大きくなり、全体が込み合ってきました。
発芽から15日後。
茎も伸び始め、じゃがいもの背丈は15cm~20cmくらいになりました。
順調に成長しています。
じゃがいもが20cmほどの背丈になったら、「芽かき作業」を行いましょう。
芽かきとは、増えすぎた芽を取り除くことです。
写真で紹介しているじゃがいもでは、1つの種芋から6本の芽が出てきていました。
芽が沢山あると芋も沢山できるのですが、栄養が分散してしまうというデメリットもあり1つ1つの芋が小さくなりやすく、食卓で使いにくかったり、料理するのに手間がかかるじゃがいもになってしまいます。
1つ1つが大きいじゃがいもに育てるためには、この芽の数を調整して栄養が集中するようにしてあげることが必要です。
その為に行うのが芽かきという作業になる訳です。
こちらが6本の芽が出たじゃがいも。
このままでは、養分が分散してしまうので芽かきを行います。
太く元気な芽が残るように、細い芽を探します。
芽を抜くときは種芋ごと抜けてしまわないように、反対の手でしっかりと押さえつけながら抜くようにしましょう。
2本の芽を抜いて4本に調整しました。
これで芽かきは完了です。
芽かき作業について詳しく知りたい方は、こちらのじゃがいもの芽かきをする理由と芽かきのやり方でご紹介しています。
芽かきを行う時期は、最初に撒いた肥料が切れだす頃ともなります。
このタイミングで追肥(後から与える肥料)も行っておくと良いでしょう。
前回のじゃがいもの植え付けでもご紹介したように、じゃがいもは多くの肥料は必要としません。
芽が出ている場所から少し放して、化成肥料を軽くばらまく程度に撒いておきましょう。
追肥を行ったら、さらに土寄せという根元に土を寄せる作業も行います。
この土寄せは様々な野菜で必要になってくる作業ですが、じゃがいもの場合は『ソラニン』という毒素を発生させないために行います。
このソラニンという毒素は、じゃがいもの芽の部分や、光に当たり緑色に変色してしまった部分に含まれています。
(だから調理する時はじゃがいもの芽を取り除くんですね。)
栽培中でも、芋に日の光があたればソラニンが発生してしまいます。
ちなみに、こちらが土寄せが甘かったじゃがいもです。
芋が肥大したことにより表面が外に露出。
日光に当たり緑色に変色してしまいました。
このように緑色になったじゃがいもはソラニンが多く含まれるため食べることができません。
せっかく育てても食べられないじゃがいもでは意味無いですから、しっかりと土寄せを行って土の中に光が入らないように注意しましょう。
土寄せは収穫までに2~3度行っておくと良いと思います。
次回はじゃがいもの成長と茎が折れた場合をご紹介します。