野菜を栽培するときに欠かすことのできない作業と言えば土壌酸度の測定です。
野菜にはそれぞれ適した酸度というものがあり、トマトなら6~6.5、ほうれん草は6.5~7、じゃがいもやサツマイモは5~5.5と細かく分かれています。
そのため、栽培する野菜と土壌の適正酸度が違っていると、収穫量が減ったり、うまく育たないことがあります。
適切な土壌を作るためには土壌酸度の測定が必要となり、家庭で酸度を計測する場合には専用の土壌酸度計が必要となります。
今回は、家庭菜園でも使えるシンワの土壌酸度計についてご紹介してみたいと思います。
このブログでは、土づくりをする際のpH測定として、価格が安く家庭菜園初心者の方にも使いやすいpH試験液という商品をご紹介してきました。
これは土を溶かした水に試験液を垂らし、色の変化で酸度を測れるという商品。
簡単でわかりやすく、私自身も使用していました。
ただ毎年野菜を育てているプロ級の方や、広い面積で野菜を作られている方々にとっては、この方法だと少し手間がかかってしまうのも事実。
そこで今回ご紹介したいのが「シンワの土壌酸度計A」です。
価格はpH試験液の約5倍で3,000円~4,000円程度。
少し高い商品なのですが、日本製ということもあり、壊れにくく精度が高いため「長く家庭菜園を楽しみたい・壊れにくい酸度計が欲しい」とお考えであれば、間違いなくこちらの土壌酸度計がおすすめです。
家庭菜園を紹介するテレビ番組やプロの農家さんなどでも使用されています。
pH測定がとても楽にできるようになりますので、ぜひ皆さんも使用してみてください。
ここからは、シンワの土壌酸度計Aの使用方法をご紹介したいと思います。
まずは、実際の商品がこちらになります。
無駄のないシンプルな外観です。
開封後は本体上部にあるメーターが「7」の中性を指しているかどうか確認しましょう。
これが土に差していないときの正常な状態となります。
次に金属部分(測定部分)をサンドペーパーを使って磨いていきます。
サンドペーパーは800番~1000番くらいの目の細かいものを使用してください。
磨くといってもツヤを出すわけではなく、金属に付着した膜や汚れを落とすだけなので、20~30秒程度磨けば十分です。
こちらが金属部を磨いた後の状態です。
これで測定器を使う準備ができました。
次は実際に土の酸度を測ってみましょう。
シンワの土壌酸度計は水分に反応して酸度を計測します。
土が乾いていると正しく計測ができませんので、まずは測定したい場所にしっかりと水を撒きましょう。
水を撒いたら土を軽くほぐして、水が全体にいきわたるようにします。
水が浸み込むまで待ってから、酸度計を土に差しましょう。
円錐の部分が隠れるまでしっかりと差し込みます。
次に、周囲の土を酸度計に寄せて固めていきます。
土と酸度計を密着させるイメージです。
そしてこのまま1分ほど待ちます。
一度強く酸性方向に振れてから、ゆっくりとアルカリ性に戻っていきます。
針の動きが鈍くなり、針が安定してきたら計測終了です。
結果は5.8ということで、やや酸性よりになっていることがわかりました。
ただ、土壌の酸度を正確に測定するためには最低でも2ヶ所、面積が広ければ3ヶ所は計測して平均値を出さなくては正確な数値とは言えません。
上記の写真のように少し離れた場所でも計測をします。
2回目の計測結果は5.6という結果になりました。
やはり場所を変えると酸度にも変化が見られました。
この2ヶ所の測定結果から平均値は5.7となり、この場所の土壌酸度は5.7の酸性ということが分かりました。
土壌酸度が5.7のままでは、翌年に植える野菜(トマトなど)のpHとしては低すぎる数値となります。
さらに梅雨に降る日本の酸性雨や、追肥によっても土壌は酸性に傾きますので、それも計算して現時点では中性に近いところ(6.05~6.5)まで酸度を戻しておきたいところです。
酸度を1近く戻したいときは、消石灰を散布します。
消石灰は酸性を中和する効果が高く、畑の消毒効果もあります。
使いすぎは良くありませんが、年に1回は消石灰か苦土石灰を撒いて酸度を調整しましょう。
このように野菜を育てる前にpHを計測しておくことで、土壌が原因となる栽培失敗のリスクを最小限にすることが可能となります。
野菜の苗を植えるときはもちろん、1年の始まりに土づくりをする際にも必ず土壌酸度を計測するようにしましょう。
pH試験液を使用した土壌酸度の測り方は、こちらの土のpHの測り方でご紹介しています。