ブロッコリーは青虫などの蝶や蛾だけではなく、鳥類の食害も受けやすい野菜です。
住宅地における家庭菜園でも、気を付けて栽培していなければすぐに害虫による被害を受けてしまいます。
今回は、ブロッコリーの葉が茶色くなる食害についてご紹介したいと思います。
ブロッコリー栽培において、葉が虫食い状になる被害については比較的すぐに見つけやすく、そのほとんどの原因が青虫などによるものです。
しかし、厄介なのは姿が見えない食害。
その代表格となるのが、葉や茎に茶色い痕跡を残すハイマダラノメイガ(ダイコンシンクイムシ)の被害です。
ブロッコリーを食害するハイマダラノメイガ(ダイコンシンクイムシ)の幼虫は、サイズが小さいうちは茎や芯の部分を食害していて、なかなか表に姿は現しません。
ただ食害した跡には、下記の写真のような葉や茎の部分に茶色い痕跡(茶色いツブツブ)を残していきます。
このようなネバネバとした糸状のものと、茶色いゴミが付着したような痕跡があれば、茎や芯の部分にダイコンシンクイムシがいると考えましょう。
ハイマダラノメイガ(ダイコンシンクイムシ)の幼虫は、葉で体を包んでいたり糸で体を守っているので、一見すると表面からは見えにくいです。
葉が不自然に丸まっている場所があったり、上記の写真のように白い糸状の塊を見つけたら、放っておかないで捕殺しておきましょう。
またダイコンシンクイムシによる食害を受けたら、その葉を根元から切り落としてしまったほうが良いでしょう。
1匹捕殺できたとしても茎の中に入り込んだ幼虫がまだいるかもしれませんし、食害された葉は弱っているので病気になりやすい状態となります。
他の葉にも影響がないか調べ、早めに対処しておくことが大切です。
ブロッコリーを食害するのは芋虫だけではありません。
空を飛ぶヒヨドリやハトなどの鳥類もブロッコリーの葉を食害します。
鳥類の被害の場合は、青虫や芋虫などの被害とは異なり、大雑把に葉を食べられていることが多いです。
特に、葉の先から食べられていたり、葉脈が残るような食べ跡は鳥類の仕業です。
また、ヒヨドリなどは体が軽いためにブロッコリーの上に乗りながら葉をつつくので、周囲や葉の上に糞が落ちていることもあります。
葉に残る鳥の糞。
鳥の糞は、葉に付く程度出れば切り落とすか流してしまえばよいですが、花蕾(ブロッコリーの食べる部分)に糞尿をされないように、対策をしっかりと講じるようにしてください。
ブロッコリーに潜むダイコンシンクイムシなどは捕殺などで対応できますが、鳥類は捕殺や農薬の散布ができないため物理的な対応策が必要となります。
一番効果が高いのは、やはり防虫ネットと言えるでしょう。
ハトやヒヨドリは、暖冬などであれば12月~1月あたりまで飛んでいることもありますので、気を抜かずシーズンを通して防虫ネットをかけておくようにしましょう。
また、育苗期から防虫ネットで対策をしておくことによって、ダイコンシンクイムシや芋虫の被害からも、ブロッコリーを守ることができます。
詳しくは家庭菜園におけるトンネルの作り方でもご紹介しています。
続いては、ブロッコリーの成長の様子と収穫についてご紹介します。