じゃがいもの成長は早く、一度成長を始めるとぐんぐんと大きくなります。
5月ごろの株の大きさとしては、標準で50cm~70cmといったところでしょうか。
その大きさが故に、この時期は茎が倒れたり、茎が折れてしまったりすることがあるので注意が必要です。
今回は正常な成長においても、折れたり倒れたりといった注意が必要なトラブルについて取り上げたいと思います。
ちなみに株の大きさが1mほどになってしまっている場合は、徒長の可能性があります。
徒長の原因は様々ですが、窒素肥料分が多すぎたり、日当たりが悪く太陽光を求めて上に上にと成長してしまっているという可能性が考えられます。
正常な生育をすると株は青々として大きくなり、平均で膝上ぐらい、一番高いところだと太ももあたりくらいまでになります。
これで約5、60cmといったところです。
この頃には蕾も確認できるようになり、
じゃがいもはこのような紫色の花をつけます。
花をつけることは、じゃがいもの生育のバロメーターであり、順調に成長していることを表します。
ただし花が付き過ぎると芋への養分が奪われてしまうので、蕾が沢山あるようなら早めに摘んでしまった方が良いです。
チラホラ咲いている程度なら特に気にしなくても大丈夫です。
さて、じゃがいもの株が大きくなってくると自重に対して支えが効きにくくなり倒れることがあります。
これを防止するため、またソラニンの発生を抑えるためには、栽培中に何度か根元に土寄せを行う必要があります。
こちらは自重に耐えきれず倒れたじゃがいもの様子。
このような感じに倒れただけであれば、株の根元に土寄せをしてあげると、また垂直に戻ることもあります。
しかし、春植えのじゃがいもにおいて注意しなければならないのが「強風」です。
この時期は風が強い日が多く、背丈があり葉が大きく広がるじゃがいもは、しっかりと土寄せをしていても風にあおられやすく、最悪の場合茎から折れてしまうことがあります。
こちらは実際に強風で折れたじゃがいもの茎です。
まわりにネットを張っていましたが、春の風に太刀打ちできませんでした。
じゃがいもだけに限らず植物にとって葉は、光合成を行うためにとても重要な役割を果たします。
じゃがいもの場合、土の中の芋は葉の光合成によって得た養分を蓄えて大きくなっていきますので、茎が折れて葉の数が減ってしまうと、少なからず芋にも影響が出てしまうことになります。
しかし、せっかく育てたじゃがいも。ここで諦めないでください。
環境が整っていれば、茎が折れても残った芽が成長して葉の数を増やそうとします。
折れた茎から新しい芽が出てきていますね。
自然治癒力と言うのでしょうか、じゃがいもの生命力の強さを感じることができます。
このように回復していくことも考えられますので、アクシデントで茎が折れてしまってもそこで諦めずに、折れてしまった部分から上は取り除き(そのままにしておくと枯れて病気などの原因になる可能性があります)、新芽が育つのを待ちましょう。
もし収穫間近の状態であれば、新じゃがとして収穫してしまうのもありです。
次回はじゃがいもの収穫時期と収穫に続きます。