ネギ葉にくっついているイモムシのような幼虫を見たことはありませんか?
これはネギコガという蛾の幼虫で、ネギを食害しある程度大きくなるとネギの葉に繭を作りだす害虫です。
農薬を使わない限りは、必ず現れると言っても過言ではないほど、ありふれた害虫です。
下の写真のようにネギコガに繭を作られた時には、かなり食害を受けた後だと考えてください。
蛾の成虫に産卵をされ孵化したばかりのころは、まだネギ自体に被害は見受けられません。
まだ孵化したばかりで小さいネギコガはネギの葉の中の空洞に侵入し、身を守りながら養分を吸っているのです。
そして時間が経つと、養分の吸われた葉には白い筋や模様が出来てきて、ここでやっと被害の状況が分かってきます。
根もとの近くにいくつか穴があるのが分かります。
葉の中に侵入した跡か、葉から出てきた跡です。
ある程度幼虫の体が多くなってくると外へと出てきて、葉に繭を作るというやっかいな生態です。
まずはひたすら捕殺していきます。
ただ下手に摘むと葉まで潰れてしまうので、カッターの刃の反対側などを使い繭を剥がすイメージで捕獲すると、ダメージが少なくそのままビニール袋へ投入することができます。
姿は見えないけど葉が萎れていたり、葉に穴が見えたら中に潜んでいる可能性がありますので、この場合は葉を優しくつまんで駆除します。
ネギは成長点である葉の分かれ目(真ん中)部分から新しい葉を作り、古くなった葉は枯れていきます。
そのため幼虫が葉の中で潰れてしまっても、ネギが大きくなるにつれて外側の葉は枯れていきますから、収穫する頃まで中に死骸があるということはありません。安心してください。
もしつまむ時に力を入れ過ぎてしまって葉が折れてしまっても、この真ん中の成長点が守られていれば問題はありません。
間接的な駆除方法ではあるのですが、近くで蚊取り線香を焚いておくという手も効果があります。
大型の虫に蚊取り線香はあまり効かないのですが(薬剤が充満する閉鎖された空間なら効果はあります)、まだ小さい芋虫には気化した薬剤を長時間浴びせることで弱らすことができ、いずれ駆除へといたらせることが可能です。
やはりこればかりは成虫とネギの物理的な接触を断つしかありません。
その為には寒冷紗やネットを使います。
トンネルを作って寒冷紗をかける方法でもよいのですが、ネギは何度も土寄せという作業をしなくてはなりません。
その都度ネットをめくらなくてはいけないのは面倒です。
ネギの栽培には防虫ハウスが適しています。
防虫ネットを使った家庭菜園用ハウスの作り方については、こちらの防虫ネットによる害虫予防の記事で紹介していますので参考にしてみてください。
次回は、ネギの苗の植え付けをご紹介します。