ナスの育て方の中に「更新剪定」という作業があります。
これは、ナスを長期に渡って収穫できるようにするための作業で、主に「秋ナス」を収穫するために行われます。
今回はこの「更新剪定」についてご紹介していきたいと思います。
ナスは、普通に育てていると7月中旬~8月上旬が収穫のピーク。
このピークを過ぎると、だんだんと株の勢いが弱っていき、花つきや実付きが悪くなっていきます。
そうなると秋頃には収穫できるナスがなくなり、秋ナスを味わうことができなくなります。
そこで収穫期間を延ばす為に更新剪定という作業が必要になってくるのです。
ただ剪定を行いますから、現時点で咲いている花や小さい実も落とすことになり、一時的に収穫が無くなることになります。
8月にいっぱいナスを食べたいという方は、更新剪定をする必要はないかもしれません。
更新剪定は8月の上旬~中旬に行うのが一般的です。
基本的なことは、枝に葉を残しながら株全体を小さくするということ。
特にルールや決まりがある訳ではないので、難しく考えない様にしましょう。
まずは剪定前のナスの状況です。
2本仕立てですが、結構葉が茂ってモシャモシャになっています。
最初は、仕立てた主枝を1/3~半分くらいまで切り落とし、高さを低くすることから始めます。
その後、横に伸びている分枝を剪定していきます。
このように、既に新芽が伸び、葉が形成できているところで切っても問題ありません。
基本は剪定する分枝に2枚以上の葉を残していれば、どれくらいの長さで剪定しても大丈夫です。
剪定が終わったら、次は根切り。
根切りとは伸びた古い根を切り、新しい根を発生・促進させる作業です。
やり方は簡単。
株元から30cm~40cm離れた場所にシャベルを刺します。
根を切るイメージで、勢い良く「グサッ」と土に差しましょう。
地植えならグルッと1週、プランターであれば株の左右で根切りを行います。
根切りを終えたら、この時期は気温も上がっているのでマルチシートを外しましょう。
夏本番となれば保温は必要ありません。
そして最後に、たっぷり目に追肥(あとから与える肥料)をしておきます。
更新剪定翌日。
いくら勢いの強いナスでも、ばっさりと短くした後は、ダメージが大きいのか少し萎れています。
こういうときは葉面散布ができる液肥「HB-101」を与えます。
※他のハイポネックスなどの液肥は葉面散布ができないので注意してください。
HB-101を与えた翌日。
葉はしっかりとして元気が出てきました。
そして早くも、剪定をした場所から新芽を確認しました。
この新芽(分枝)が伸びてくると、花を咲かせ実をつけるようになります。
収穫の時期は9月に入ってからとなるでしょうから、ちょうど秋ナスを味わえる時期となります。
今から楽しみに待ちましょう。