メロンなどのウリ科の植物でよく見かけるうどんこ病。
無農薬栽培している家庭菜園においては、よく見かける病気かもしれません。
カビの一種で、まるで「うどんこ粉」のように、粉状の白い斑点に見えるのがうどんこ病の特徴。
見た目ですぐに判別できる病気です。
ネット上では色々な予防法が書かれているのですが、菌が風で飛んでくることでも感染するので、予防の仕様が無いというのが現実です。
うどんこ病の対策は早期発見がなによりの特効薬。
白っぽくなっている葉を見つけたら、すぐに摘んでしまいましょう。
うどんこ病になったメロンの葉。
発生初期段階では、胞子を撒き散らす前に葉を摘んでしまえば、他の葉への感染を防ぐことが出来ます。
摘んだ葉には菌が付着していますので、手荒に扱わずに、優しくゴミ袋などへ移し処分してしまいましょう。
決して土の上に置いておいたりしてはいけません。
すでにいくつかの葉にうどんこ病が見られる場合は、これから紹介する対処方法を参考にしてみてください。
うどんこ病は、菌が葉に侵入して養分を吸い取ってしまう病気です。
最悪の場合枯れることもある怖い病気となります。
また軽度であっても、菌が葉の表面を覆うことで光合成を阻害します。
特に実がなっている時に葉の光合成を阻害されると、甘さなどの大切な食味が落ちてしまいます。
家庭菜園で一生懸命育てた野菜。
美味しく食べるために、うどんこ病を見つけたら早めに治療して完治させましょう。
広範囲にうどんこ病が広がってしまったり、同時多発で発生した場合は、下記の方法で治療を試してみてください。
・家庭用の酢を使う
ご存じのとおり酢には殺菌作用がありますから、早い段階であれば、どの家庭にもある「普通の酢」で殺菌できます。
使い方は、ご家庭にある酢を20倍~30倍に薄めて、スプレーボトルにいれて葉に吹き付けるだけ。
上記写真のうどんこ病に、酢を吹きつけた状態。
翌日。
食品である酢を散布しただけでも、カビの菌糸が壊れはじめ、薄くなっているのが分かります。
即効性は高くありませんが、うどんこ病初期なら数日続けることで、綺麗に殺菌することが出来ます。
・酢と木酢液を使う
上記の酢に加え木酢液を混ぜます。
木酢液は炭を作る時に副産物としてできる液体で、「酢酸」が含まれています。
殺菌能力が高く、酢と混ぜて使うことでさらに高い殺菌効果が期待できます。
こちらは100倍~200倍程度に薄めてから、スプレーボトルで葉に散布します。
別のうどんこ病変。
うどんこ病に酢+木酢液を吹きつけた状態。
翌日の状態。
菌が大きく広がっていた病変が、あきらかに小さくなっています。
こちらも数日続けることで、中期までのうどんこ病なら効果が期待できます。
ただ木酢液は粗悪なものもあるので、十分注意してください。
・カダンセーフを使う
ヤシ油とデンプンからできた、食品生まれの園芸用忌避剤。
アブラムシなどの害虫や、うどんこ病に効果があると言われています。
安全な成分がゆえ、1度だけではなく数回使用して効果が表れます。
無農薬栽培の中では、1番うどんこ病に効果が期待できる商品かと思います。
・ダコニール1000
メロンなどのウリ科に適用のある農薬で1度の散布で効果が期待できます。
農薬となりますが、希釈倍率や使用方法を間違わなければ安全です。
その効果は高く、うどんこ病だけに限らず、メロンに発生するべと病など好発する病気の予防としても効果的となります。
このように、うどんこ病の対処方法はいくつかあります。
発生が初期であれば酢+木酢液を試していただいて、進行が収まらなければ農薬と言うように段階を踏んでも良いかと思います。
うどんこ病はカビ一種ですから、家でカビが発生する時と発生条件は同じになります。
高温多湿であったり、通気性が悪かったり、一度発生した菌をそのまま放置して広がったり。
ですからメロン栽培の場合は、細くて弱々しい孫づるは早めに整枝して通気性を確保し、葉の密度が高くなり過ぎないように注意します。
また冒頭でも述べたとおり、うどんこ病は風によりカビの胞子が飛んできて、他の植物に感染するという経路があります。
これは完全に防ぐことが困難なのですが、感染経路は、遥か遠くから飛んできた菌が感染を広げるということよりも、まずは各地にある背の高い樹木を伝って感染していくと考えられます。
様々な植物を伝って菌が感染していき、その後、庭の家庭菜園の野菜へと菌がたどり着いているという可能性もある訳です。
ですから庭に樹木がある場合、人間が食べる実をつけない樹木であれば、早めに農薬を使いうどんこ病の感染予防をしておくことで、家庭菜園の野菜への感染は防ぐこともできるかもしれません。
続いては、メロンの病気としてはうどんこ病の次に多発するメロンの葉に黄色い点?葉が黄色くなったときの対処法についてご紹介していきます。