家庭菜園でいちご作るメリットといえば、採れたてのいちごを食べれるという他にも、自分で翌年の苗が作れてしまうこともメリットの1つ。
いちごの株が1株あれば、同じ品種のいちごの苗を何十個と作ることが可能となります。
家庭菜園にとっては、毎年苗を買う必要が無くなるのでとっても経済的!
そんないちごのランナーを使った増やし方をご紹介したいと思います。
いちごのランナーというのは、株から伸びる匍匐茎(ほふくけい)のことで「いちごの茎」となります。
放っておくといくらでも伸びてくるので、すぐにわかると思います。
こちらがいちごのランナーが伸びてきた様子です。
このように、地面を這って横に伸びてくるのがランナーで、いちごの実の出来る茎とは違うことが分かります。
ランナーのできる時期としては、6月の終わりごろから7月あたり。
もしランナーが伸びないということがあれば、株自体が弱っているのかもしれません。
弱い株で苗を作れたとしても、その苗も元気の無い苗になる可能性があるので、ランナーがなかなか出てこないのであれば他の株を使って苗を作ってください。
また、まだ苺の収穫中なのにランナーが伸びてきてしまった場合には、実に栄養が集まらなくなるので、ランナーは切った方が良いでしょう。
収穫が終わり、苗を作り始める時にランナーを伸ばすようにしましょう。
それでは、ランナーから苗を増やす方法をご紹介します。
株からランナーが伸びてきたら、ランナーの葉が付いた部分を土に接触させます。
このように土に触れた部分が、のちにクラウンと呼ばれる成長点になる箇所となります。
風で動かないように土を被せてあげてもいいですし、クリップなどを使って押さえつけても構いません。
または、この時点でポットを用意してそこで根付かせると、そのまま苗を完成させることもできます。
とにかく土に接触させることが目的です。
10日ほど経つと、下の写真のように葉が大きくなってきて根付き始めます。
根付いていないうちは本体の株から栄養をもらっていますが、根をしっかり伸ばして自分で栄養を摂れるようになると、本体とのつながりは必要なくなります。
優しく引っ張ってみて、根を張っている感覚があれば、本体と繋がっているランナーを切り離してください。
今回は実験のために、根付いたと思われる苗を土から抜いてみました。
約10日ですが、しっかりと根を伸ばしていますね!
実際は、土から「抜く」のではなく、付近の土ごとポットに移し替えてあげることで、いちごのポット苗が完成します。
このようにして、収穫の終わったいちごから苗を増やしていくことができます。
いきなり昭和な響きが登場しましたが、この太郎苗や次郎苗というのは、1本のランナーからできた苗の順番を指す言葉となります。
株から一番近く最初に根をおろした苗が太郎苗、その次に出来た二番目の苗が次郎苗、三番目が三郎・・・となります。
1本のランナーからは、伸びる分だけ苗を作っていくことが可能ですが、このうち最初に出来る太郎苗については、元の株が持っている病気を受け継いでいる可能性があるといわれています。
実際のところ私は太郎苗を使ったことがないので説得力のあることは言えないのですが、先人達が言っていることなので信用したほうが良いでしょう。
苗はランナーからいくらでもできるので、素直に太郎苗は使わずに次郎苗を使うのが賢明です。
このように毎年毎年、苗を自分で作り出すことができるいちご。
一番出来の良かった株をつかって苗を量産すれば、来年はさらに出来が良いイチゴが沢山なるかもしれませんよ!